8月20日(土)Dear WHISKYは「ウイスキーサミット西軽井沢2022」を開催いたしました!
会場は、旧メルシャン跡地・メルシャン軽井沢蒸留所が位置していたMMoP(モップ)内のSTEAK HOUSE Feu(フ―)です。かつて、この場所で「軽井沢」というウイスキーが造られていました。
この度のイベントは、ウイスキーの造り手(生産者)、繋ぎ手(提供者)、飲み手(愛飲家)が一堂に会しウイスキーの魅力を語り尽くすことを目的に開催されました。
当日は、お子様を含む幅広い年齢層の方々 約50名が参加。地元の住民に加えて、関東から九州まで、遠方から多くの方にお越しいただきました。また、ビギナーからマニアまで、ウイスキーを愛する「飲み手」を中心に、ウイスキー生産に携わる「造り手」、Barや飲食店を経営する「繋ぎ手」の姿も見られました。堅苦しさはなく、カジュアルな雰囲気の中イベントは進められました。
本イベントには、豪華キャストが勢ぞろいとなりました。以下、ご紹介いたします。
まずは、スペシャルゲストの竹鶴孝太郎氏。竹鶴商品研究所代表、日本スコットランド交流協会顧問。幼少期を祖父母であるニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝・リタと共に北海道余市で過ごしました。ニッカ勤務を経て現在多数の企業の顧問としてブランディングや商品プロデュースを手掛けています。イベントでは、ジャパニーズウイスキー100年の歴史を、竹鶴家ならではの視点からご紹介下さいました。
次に、飲み手代表として、德川家広氏。江戸幕府の将軍を務めた、德川宗家の第19代です。米国、欧州、アジアで生活した経験を活かし国際政治経済評論家として著書多数。夏季は軽井沢で過ごすのが慣例でウイスキー愛好家しても知られています。日本史上、政界の人物とウイスキーとの意外な関りや、彼らの好んだ銘柄など、飲み手代表として、独特な切り口からウイスキーの楽しみ方をシェアして下さいました。
造り手代表には、オラ・ロパトフスカ氏。スコットランドのエディンバラを拠点として、長年スコッチウイスキー業界にボトリング、セールスのプロとして携わってきました。私達の手元にウイスキーが来る前に、必ず行われる「ボトリング」。その奥深さや、個人が自由に原酒をボトル詰め出来る「ボトリングサービス」についてもご紹介。また、スコットランドから持ってきた原酒のサンプルの試飲会も開いて下さいました。
そして、繋ぎ手代表としてサポート下さったのは、長野県佐久市のBar REMのマスター 橋脇正彦氏。バーテンダー協会元会長の岸久氏の門下生で、ウイスキー8,000本以上、バーボン400本ものボトルラインナップを取り揃えます。当日は仮設barを設置し、テイスティングウイスキーの提供や専門家としての知見を共有して下さいました。
最後、モデレーターを務めたのは本田浩一氏。株式会社アマナ、MMoP【モップ】プロジェクト推進室室長で、今回のイベント開催をサポートして下さいました。
以下、イベントの様子をご報告します。
会場STEAK HOUSE Feuは、屋内席とテラス席に分かれています。 会場に到着した参加者の方々はまず、浅間山の絶景と豊かな自然、そして現在は浅間国際フォトフェスティバル2022 PHOTO MIYOTAの展示もご覧いただけるテラス席にご案内。
テラス席には、シャンパン、ノンアルコールドリンク、ソフトドリンクに加え、サンドイッチやデザートといった軽食がご用意。飲み物を片手に、参加者同士で和気あいあいとお話されていました。
15:00になると、屋内のお席へとご案内。
会場には、ウイスキーのテイスティンググラスがセンターテーブルいっぱいに並べられ、前方にスクリーン、登壇者席、橋脇氏の立つ仮設barが設置。木を基調としたガラス張りの店内は解放的な雰囲気で、御代田の美しい自然が一望できます。
まずは、モデレーターの本田浩一氏から、会の要旨や、前述した会場とウイスキーとの深いご縁、軽井沢蒸留所についてお話がありました。
続いて、主催:株式会社クレア・ライフ・パートナーズ 代表取締役の工藤将太郎氏より、イベントに込められた想い、同社が運営する当メディア”Dear WHISKY”についてのご紹介が行われました。
その後、モデレーター:本田氏による本日の流れを紹介があった後、早速一人目のスピーカー、竹鶴孝太郎氏によるキーノートスピーチが開始します。
キーノートスピーチ「ジャパニーズウイスキー100年 竹鶴政孝の100年」を担当して下さったのは、竹鶴孝太郎氏。竹鶴孝太郎氏は、ジャパニーズウイスキーの父であり、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝氏「マッサン」のお孫様です。
来年で100年を迎えるジャパニーズウイスキー。ジャパニーズウイスキー100年の歩みや、政孝氏の理想のフォーメーション実現までのお話に加え、孝太郎氏しか知らない、竹鶴家の裏話、祖父母の政孝・リタ夫妻からの教えや、一般には公開されていない画像・映像など、貴重なお話を沢山お聞かせ下さいました。
ウイスキー好きなら誰もが知る「マッサン」。参加者の関心も高く、ジャパニーズウイスキー次の100年へ繋げていくための重要な講演となりました。
そして、いよいよ乾杯のお時間!乾杯は、もちろんウイスキー。竹鶴政孝氏がスコットランドで修業したロングモーン蒸留所にちなみ、「ロングモーン16年」です。
乾杯のご挨拶をしてくれるのは、この日のためにスコットランドから来日下さったオラ・ロパトフスカ氏。
乾杯のお酒を配っている間、Bar REMオーナーの橋脇氏より、ロングモーンについてご説明がありました。
また、会場をご提供いただいたCERCLEの鎗田社長よりご挨拶。
そうしているうちに、乾杯の用意が整いました。乾杯の挨拶は、スコットランド方式「Slainte mhath!」(スラーンジ・ヴァー!)
皆さん、とても美味しそうに飲まれていました。
続いて、ウイスキー座談会のお時間です。
こちらは、飲み手代表の德川家広氏、造り手代表のオラ・ロパトフスカ氏、スペシャルゲストの竹鶴孝太郎氏がご登壇。さらに、繋ぎ手代表の橋脇正彦氏が仮設Barに立ち、ウイスキーの専門家としての立場から、進行をサポートしました。
まずは、モデレーターの本田浩一氏より、德川家広氏と軽井沢の関係についてのご質問。德川家広氏は、幼少の頃から夏の間は旧軽井沢の別荘で過ごしていたそうです。
その後、德川家広氏の親族のお話や、中曽根康弘元総理大臣とペレが旧軽井沢でテニスをしていたところを、幼き日の家広氏が目撃した話など、様々なお話をお聞かせくださいました。
ここで、軽井沢にちなんで橋脇氏がこの日のために持ってきてくれたのが、ウイスキー「軽井沢15年(通称エクボボトル)」。先述のとおり、今回の会場MMoPは、もとはメルシャンの軽井沢蒸留所でした。蒸留所は10年前に閉鎖してしまったため、ウイスキー「軽井沢」は希少価値があるということで現在も高値で取引されています。
その、「軽井沢15年」を、德川家広氏、竹鶴孝太郎氏、オラ・ロパトフスカ氏がテイスティング、感想を述べていただきました。
続いて、德川家広氏の曽祖父、松平恒雄氏が愛したという現行の「オールドパー」を、会場の全員でテイスティング。ウイスキーに合うおつまみも提供され、お酒を片手に座談会は次へと進みます。
35年前の「オールドパー」の特級表示(昔の酒税法では、アルコール度数43%のものを「特級」と表記していました)を、登壇者の方々にテイスティングしていただきました。
次は、スコットランドからお越しのオラ・ロパトフスカ氏が、スコットランドのボトリング事情について、主催:株式会社クレア・ライフ・パートナーズのウイスキー・カスク・インベストメント事業責任者 牧尾友裕氏を交えてお話下さいました。
ここで、ウイスキーの「造り手」なのに、なぜ蒸留所じゃないのか?と疑問に思った方もいるかもしれません。
Dear WHISKYの考えるウイスキーの造り手には、実際に原酒を造る蒸留所と、原酒を使用してボトリングを行うボトラーズが含まれます。オラ・ロパトフスカ氏は後者に属し、他にも資産としてのウイスキーや、個人がボトラーズになれるボトリングサービスを主催:株式会社クレア・ライフ・パートナーズと一緒に展開しています。いわば、ウイスキーの様々な楽しみ方を生み出す「創り手」なのです。
オラ・ロパトフスカ氏は、実際のボトリングのプロセスや、一般には公開されないスコットランドのボトリングホールの様子を、通訳の藤巻さんと一緒に、会場の皆さんにご紹介して下さいました。
ウイスキーが、私たちの手元に来るまでのストーリーですが、初めて聞くことばかり。巨大な樽がボトリングホール(工場)に並び、プロによって慎重にボトル詰めされる様子は、観客の皆さんも興味深そうに聞き入っていました。
最後に締めの挨拶をモデレーター:本田浩一氏よりいただきました。
その後は歓談タイム。ウイスキー、シャンパンなどのお酒を片手に、お客様同士での交流が活発に行われました。また、オラ・ロパトフスカ氏が、この日のためにスコットランドからお持ち下さった原酒の試飲会も行われました。
全て、樽から直接抽出したカスク・ストレングス(加水なし)です。この日しか買えない原酒ばかりで、大変盛況な様子でした。
以上、ウイスキーサミット西軽井沢2022のイベントレポートでした!
このウイスキーサミットは、来年以降も定期的に開催する予定です。第一回となる今回のイベントでは、ウイスキーを愛する多くの方にご来場いただきました。心より感謝申し上げます!
「造り手」「繋ぎ手」「飲み手」といった立場の違いを超え、ウイスキーを接点とした輪を広げること。資産運用やアートといった、新しいウイスキーの楽しみ方を創っていくこと。ジャパニーズウイスキー 次の100年に向けた、重要なキックオフとなりました。 登壇者へのインタビューや映像は、今後公開予定です!
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