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ウイスキーカスク投資の仕組みから保管方法までを解説

2021.07.28 / 最終更新日:2024.02.14

ウイスキーカスク投資は、ここ数年でプラットフォームが出来上がってきた仕組みとなり、海外投資家の中では非常に注目されている投資手法ですが、日本国内ではまだまだ認知度は低い状態です。そこで、この記事では、なぜウイスキーカスク(樽)を投資商品としてプラットフォーム化されたのか、蒸留所がカスク(樽)販売を行っている理由や、カスク(樽)自体の購入から売却までの大きな流れをご説明します。

また、保有期間中のウイスキーカスクの管理方法、証明書の発行、などについてもご紹介させていただきますので、ウイスキーカスク投資の安全性、資産性など、よりウイスキーカスク投資を魅力的に感じていただけたらと思います。

ウイスキーカスク投資の仕組み

ウイスキーの製造過程について、詳細は別記事にてご紹介させていただきますますが、大きく下記6つの工程に分かれます。
その中で、最も工程期間が長いのが、「5.樽熟成」で、樽により3年~15年以上など、熟成期間が変わりますが、平均して約9年間熟成させる工程となります。

1.製麦
2.糖化
3.発酵
4.蒸留
5.樽熟成(平均9年間)
6.ボトル詰め

しかし、蒸留所は樽詰めをしてから、9年後の販売までの間も、新しいウイスキーの製造のために原料となる穀物の購入費や、樽の管理費、設備費、保険料、光熱費、人件費など、様々な費用が毎年必要となってきます。
熟成させるほど、価値があがると言われているウイスキーカスクですが、熟成させる期間が長くなると蒸留所の総コストも大きくなり、経営の悪化を招いてきました。特に小さな蒸留所は資金力もなく、銀行融資なども限界があり、非常に苦しい状態が続いておりました。


プラットフォーム化の理由

そこで考えられたのが、熟成期間中のウイスキーカスク(樽)を投資家に販売することで、蒸留所は資金調達を行い、経営悪化を改善しよう、というプラットフォームです。これが、ウイスキーカスクインベストメントが始まった理由です。

この仕組みにより、蒸留所のキャッシュフローは安定し、継続したウイスキーカスクの製造、人員の確保、設備投資、など資金力の小さな蒸留所が安定した経営を実現できることになりました。投資家にとっても、樽詰めしたばかりの、ニューメイクウイスキー(未熟性ウイスキー)を割安で購入でき、熟成と共に価値が上昇、売却先はボトラーズや蒸留所、様々な投資家など出口も豊富なことで、投資商品としての注目されてきています。

購入から売却までの流れ

 

蒸留所にてウイスキー原酒が詰められたカスクは、サプライヤーと呼ばれるウイスキーカスクの管理会社経由で購入ができます。サプライヤーが抱えるウイスキーカスクの在庫は、いくつかの蒸留所からのカスクだけでなく、これまで他の投資家に保有されていたカスクや、オークションによって落札されたカスク等様々な経緯で集められたウイスキーカスクがあります。

イギリス歳入庁(日本でいう国税庁)によって管理されているカスクの登録番号が付与されることで、ウイスキーカスクを購入した投資家は、そのカスクの所有者となります。カスク自体は、投資家の自宅等に届けられる事はなく、サプライヤーが所有・管理している保管用の保税倉庫内(ウェアハウス)で保管・管理が行われます。そして、投資家の指示により売却先が確定すると、利益が生まれる仕組みとなっています。

ウイスキーカスク投資の売却は、様々な出口戦略があることも魅力的な特徴の一つです。

カスクは、熟成される期間が長いほど価値が高くなることから、売却先は同じ投資家はもちろんのこと、個人のウイスキーコレクターが集まるオークションや、ボトラーズという、ウイスキー原酒を購入して独自でブレンド等を行い瓶詰めした後に、自社のラベルを貼って販売する独立瓶詰め業者(インディペンデントボトラーズ)等、多くの販売先が考えられます。

投資家からの、カスク売却の意思表示の後、売却先が見つかるのは平均して1週間~3か月が一定の目安となります。また、熟成期間が長くなり価値が高まったカスクは、数千万円など高額になることもあるため、購入できる層が限られてきます。

カスクの管理・証明書の発行

 

ウイスキーカスクは、ボトル詰めされて商品として出荷されるまでは保税倉庫(ウェアハウス)にて保管されています。

保税倉庫とは、イギリス歳入庁(日本でいう国税庁)により厳密に監視されているウイスキーカスクの非課税の保管場所のことを指します。ウイスキー等のお酒類は税金が非常に高いためでもあります。そのため、自宅に購入したカスクは届くことはありません。先述の通り、蒸留所から購入したすべてのカスクは、イギリス政府が管理する保税・保険付きの倉庫(保税倉庫)に保管されているからです。

また、これらの倉庫でウイスキーを保管すると、専門家によって定期的に樽がチェックされるため、品質管理としても安心感あります。その上、保税倉庫は政府の監視が厳しいことから、カスクの保管場所としては最も安全な場所とも言えます。

ウイスキーカスク投資は現物商品でもあることから、カスクを購入したことを証明するサーティフィケート(所有権証明書)がイギリス政府によって登録番号が付与された後にサプライヤーを通じて購入者に送付されます。

リスクと保険

保税倉庫でのカスクの管理は厳重だとしても、保税倉庫自体に火災や盗難、保税倉庫の運営会社の倒産などのリスク対策はどうなっているか気になるかと思われます。

イギリス政府は、保税倉庫の信頼性を維持するためにウイスキーカスク保管に厳しい規制を設けています。仮に、保税倉庫が倒産してしまったとしても、ウイスキーカスクの所有権自体はイギリス政府の登録番号によって管理されているため資産に影響することがなく、場合によって他の保税倉庫へ移動して引き続き保管がされます。それでも何らかの形で所有するカスクに損害があった場合は、同等の価値程度のウイスキーカスクとの交換や損害保険金の支払いなどによって補填されます。

火災や盗難へのリスクへも保険が掛けられていますが、火災に関してであれば、一度だけ、1875年にウイスキー倉庫の火災がありましたが、発生する確率は非常に低いと思われます。盗難に関しても、カスクがイギリス歳入庁に記録されており、全てのカスクをトラッキング(追跡)できるため、どこにも転売することはできません。また、ウイスキーカスクは何百リットルもの液体のため非常に重く、搬出にはトラックや機械が必要であり、24時間体制のセキュリティがあることからも、保税倉庫の歴史上、盗難の報告は一度もないことは、投資家にとって安心材料になるかと思います。

まとめ

蒸留所の収益安定化のため、ウイスキーカスク投資は、蒸留所にとって非常に重要なプラットフォームの一つといえます。投資家も、この仕組みを活用することで、割安に投資ができるため、Win-Winな関係が構築できるいるかと思います。

また、イギリスのウイスキーカスクは、非常に厳重な管理のもと、大切に保管されているため資産価値の毀損や盗難、事故、事件などのリスクも非常に低いといえます。
今後、世界経済がインフレ傾向に向かう場合は、実物資産の価格上昇にも期待ができるかと思いますので、ご興味のある方はぜひお問合せください。

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