【イベントレポート】ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)2024 授賞式
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北大西洋に面するアイルランドの都市・ゴールウェイにて、伝統的な製造方法と由緒ある技術により昔ながらの蒸留酒を製造するミシル蒸溜所。
今回はミシル蒸溜所の現地ツアーに参加してきましたので、その様子をお伝えします!
ゴールウェイの市内からバスで10分ほどの場所にある「Oslo Bar」。ミシル蒸溜所はこのBarの奥にあります。
北大西洋が一望できる場所に位置しており、雨が多いゴールウェイですが晴れていると絶景をみることができます。
約170 年以上にわたり、ゴールウェイ湾の海岸で蒸留酒を造り続けてきたミシル蒸溜所。
ミシル蒸留所は、1848 年にコネマラの丘の中腹でポワティンの蒸留を始めた、ミシル・マク・チェラに敬意を表して名付けられました。地元の植物や6代に渡り守り続けた蒸留ノウハウを駆使して、丁寧に蒸留酒造りに励んでいます。
※Google Mapより引用
蒸溜所名 | Micil Distillery(ミシル蒸溜所) |
アクセス | 226 Upper Salthill, Galway, H91 N9WK, Ireland |
公式サイト | Micil Distillery 公式ホームページ |
※Google Mapより引用
ウイスキーの本当の物語とその製造方法を発見し、醸造、蒸留、マッシュビル、カスクフィニッシュ、熟成のすべてを学ぶことができます。170年の歴史を持つ家族経営の違法な蒸溜所の伝統や、今日のミシルでのウイスキー製造方法についてもお聞きいただけます。ツアーは稼働中の蒸溜所の中心で行われ、ミシルによる2種類の独立したウイスキーボトリング、ピーテッド大麦、オーツ麦を使用した特別なヘリテージ・エディションのポワティンの3種類のテイスティングが楽しめます。
ミシルのポワチンとジン製造に焦点を当て、現役の蒸留所の内部を見学します。
この2つの蒸留所の素晴らしい歴史を発見し、その製造方法を学び、私たち家族の違法な蒸留所の伝統に関する色とりどりの話を聞くことができる。
アイルランドのオリジナル・スピリッツであるポワチンの本当の歴史や何から造られているのかについて知ることができます。
ポワチンが長年にわたって違法とされてきた理由や、私たち家族の違法なポワチン蒸溜の歴史にまつわるエピソードも聞くことができます。ツアーは稼働中の蒸溜所の中心で行われ、2種類のポワチンと1種類のジンをテイスティングすることができます。
カクテルのマスタークラスは、体験型の90分間です。こちらでは、様々な種類のボタニカルについて学んだのち、ミシル蒸溜所で造られたスピリッツを使い、オリジナルのカクテルを2種類作ることができます。
さらに、ミシル蒸溜所のビジターセンター・バーで行われるため、稼働中の蒸溜所を上から見学することができます。
日時 | 毎日開催 14:00~18:00(時期によって月曜日は休館日) |
会場・主催 | Micil Distillery(ミシル蒸溜所) |
ツアーの予約方法 | Micil Distillery ツアーの予約はこちらから! |
ツアー | Micil Whiskey Experience €25 ADULT / 1 HR 15 MINS
Micil Distillery Experience €25 ADULT / 1 HR 15 MINS Micil Cocktail Experience €45 ADULT / 1 HR 30 MINS |
素敵なBarの入り口をくぐり、お店の奥に進んでいくと階段があり、そこを登っていくとミシル蒸溜所の入り口が見えてきます。
蒸溜所の中に入ると、壁には彼らの歴史やウイスキーを説明するパネルが展示されていました。
1848 年にコネマラの丘の中腹で違法ポティーンの蒸留を始め、曾祖父にあたるミシル・マク・チェラに敬意を表して「ミシル蒸溜所」と名付けたそうです。ゴールウェイ湾の海岸で格別なアイルランドの蒸留酒を造り続け、170年以上にわたりアイルランドで最も長く家族経営によるウイスキーの製造を行っています。
彼らは、アイルランド語を通じて口伝えで伝統・技術・レシピを伝承してきたそうです。
ミシル蒸溜所のウイスキーは、アイルランドの最高級原料を使用しており、蒸溜所内で一つ一つ手造りされていることが特徴です。
また、ミシル蒸溜所は、ゴールウェイで100年以上ぶりに合法的に設立された蒸溜所であり、ゴールウェイ州全体で唯一の認可蒸溜所なのだそうです。
ミシル蒸溜所で初めに造られていたのはポティーンという蒸留酒です。
ポティーンはアイルランドで古くから親しまれてきた伝統的な蒸留酒であり、現代のウイスキーの前身だと伝えられています。
ポティーンはアイルランドの通夜、葬式、結婚式、縁日で飲まれる伝統的な飲み物です。
また薬効もあり、1918年に大流行したインフルエンザの治療薬として使われたことは有名で、今でも多くの人が風邪を治すには熱いポティーンが一番だと考えているそうです。
ポティーンという言葉は、アイルランド語で鍋を意味する「pota’」に由来し、伝統的なポティーンは麦芽(大麦、オート麦、小麦、時にはライ麦)から蒸留されます。
砂糖、ビーツ、ジャガイモなど、加工が容易で安価な原料から造られるようになったのは比較的最近のことなのだそうです。
ミシル蒸溜所では、ツアーの始まる2階から製造現場となっている1階が見下ろせるようになっており、1階で実際にウイスキーを蒸留しているプロセスを全て見学することができました!
ミシル蒸溜所はアイルランドで2番目に小さな蒸溜所であり、ウイスキー造りの全てのプロセスがこの中で行われているそうです。
昔ながらの方法で製造してしており、ウイスキーとポティーンは100%アイルランドや地元の産穀物にこだわって造られています。
500Lの銅製ポットスチル・少量の単一バッチで蒸留を行っており、蒸留の工程で自動化を一切行っていません。
また、蒸留におけるカットは、全て蒸留者の技術と判断によって行っているそうです。
ミシル・アールズ・アイランドには、ゆでたお菓子、リンゴの雫、マラスキーノ・チェリーのタッチ、少し酸味のあるレッドカラントとルバーブの不思議なスパイス香がありました。大量のスパイス、シナモン、ナツメグ、マジパン、トーストしたナッツの香りや味わいもあります。
ミシル・マデイラ・アイランドは、柑橘類の皮とシナモン、クローブオイル、ナツメグなどのスパイスの香りに包まれた、軽く甘いピートスモークが特徴です。砂糖漬けのオレンジ菓子、ミルクチョコレート、グレープフルーツ、アプリコット、ナッツのようなポットスティル・スパイスのニュアンスもあります。
温かみのある蜂蜜のスパイスに、生き生きとしたフルーツ、はっきりとしたモルトが特徴です。さらに、バランスの取れた花の香りやエレガントでベルベットのようなテクスチャーも感じることができます。
3種類ともミシル蒸溜所の長い伝統を感じる素敵な味わいでした!
世界最古の蒸留酒のポティーンとウイスキーを同時にテイスティングができるとても特別なツアーですので、ぜひ足を運んでみてください!
ウイスキーの入ったグラスをクルクルと回すと、グラスの内側にウイスキーの輪ができます。その輪から滴る水滴を「ウイスキーの涙」と呼ぶそうです。その水滴が落ちる速度によって、ウイスキーのアルコール度数を知ることができます。
ミシル蒸溜所のウイスキーは、落ちる速度がゆっくりだったため、糖分が多くアルコール度数が高い46%のウイスキーなんだというちょっとした実験もできる楽しいツアーでした!
以上、ミシル蒸溜所が開催する「ウイスキー体験ツアー」でした!
アイルランドの最西端の街、ゴールウェイにある蒸溜所。この土地ならではの魅力や歴史がたくさん詰まったミシル蒸溜所のウイスキーを実際に目で見て、香って、味わうことのできる素敵なツアーでした。
ぜひ、アイルランドにお越しの際は、少し足を伸ばしてゴールウェイのミシル蒸溜所へ来られてはいかがでしょうか。