【イベントレポート】「世界最古のブッシュミルズ蒸溜所のプレミアムツアー」に参加してきました！

「世界最古のウイスキー蒸溜所」と呼ばれている、ブッシュミルズ蒸溜所。
1608年からアイルランド島の北端でウイスキーの製造を行っているため、400年以上の長い歴史を持っています。蒸溜所付近に存在するブッシュ川から「セント・コロン場の泉」を取り入れ、仕込み水として使用しており、また、製法部分でも伝統的な部分と革新的な部分を両立しています。
そんなブッシュミルズ蒸溜所のプレミアムツアーに参加してきました！
その様子やツアーガイドの方へのインタビューを本記事ではご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

ブッシュミルズ蒸溜所のツアーとは

ブッシュミルズ蒸溜所ツアー 基本情報

ブッシュミルズ蒸溜所は北アイルランドの首都ベルファストから特急電車で1時間半、さらに30分ローカルのバスで行くと到着します。ツアーガイドさんに案内してもらい、広大な敷地にあるブッシュミルズ蒸溜所を2時間半をかけてゆっくりと回るツアーでした！

世界最古の蒸溜所ではどのようにウイスキーが造られているのか、全ての工程を見学し、最後にはとっておきのウイスキーをテイスティングしてきました。

会場・主催	ブッシュミルズ蒸溜所
公式サイト	https://www.bushmills.eu/

蒸溜所ツアーの詳細

オールド・ブッシュミルズ蒸溜所でウイスキー造りをご覧いただけます。
マッシュ・タンからポット・スチル、そして樽に至る各工程の印象的な光景や豊かな香りを体験しながら、グレーンからグラスに至るまでの生きた歴史を堪能できます。その後、1608バーで、400年以上にわたる専門知識と革新の集大成であるウイスキーのテイスティングを楽しめます。

費用	£15
ツアー時間	1時間
開催日時	月曜日~金曜日：10時から14時30分

プレミアムツアー＆テイスティングの詳細

オールド・ブッシュミルズ蒸溜所でウイスキー造りをご覧いただけます。
マッシュ・タンからポット・スチル、そして樽に至る各工程の印象的な光景や豊かな香りを体験しながら、グレーンからグラスに至るまでの生きた歴史を学ぶことができます。その後、マスター・ディスティラリーズ・ルームでツアーを終了します。ここでは、ウイスキーのチューターが、3種類のブレンデッドウイスキーと3種類のシングルモルトウイスキーの豊かなアロマと複雑な風味にご案内します。

費用	£50
ツアー時間	2.5時間
開催日時	月曜日~金曜日：10時から14時30分

実際にブッシュミルズ蒸溜所のツアーに参加しました！

壮大な歴史を持つブッシュミルズ蒸溜所

ブッシュミルズ蒸溜所は1608年に蒸留ライセンスを取得しており、認可された世界最古のウイスキー蒸溜所です。現在まで400年以上経った今でも、受け継がれてきた経験と技術の結晶で、ブッシュミルズ蒸溜所こだわりの製法の元、ウイスキーが製造されています。

再建されたブッシュミルズ蒸溜所

1885年に火災により、ブッシュミルズ蒸溜所が焼失した歴史を持ちますが、すぐに再建され需要にこたえるために元の生産量を早急に取り戻したそうです。
現在は敷地内で蒸留、熟成、ボトリングが行われるほど、広大な土地でウイスキー製造を行っています。

最高の自然原料から造られる、ブッシュミルズウイスキー

原料である「大麦」「麦芽」「酵母」「水」は最高の自然原料が使用されています。
水は純度の高い澄んだものを、麦芽は泥炭煙は使われず密閉窯で乾燥させたものを使っているそうです。
そのため、ブッシュミルズウイスキーは他のスコッチ・ウイスキーとは異なる独自の風味が表現されています！

50時間かけてゆっくりと発酵される

蒸留酒用の酵母を入れてから、発酵を50時間するのだそうです！
ここでは、約8％のアルコールが含まれており、それらを調整するために10時間ごとにテストをしているそうです。
この段階で、ウイスキー造りの真髄である蒸留に取り掛かる準備が整えられていきます。

アイリッシュウイスキーの味の決め手となる蒸留

アイリッシュウイスキーの柔らかい味わいを造り出すために欠かせないのが蒸留です。ブッシュミルズ蒸溜所は3回の蒸留を行っています！
3回の蒸留を繰り返すことでアルコールはより純粋になっていくといいます。最初の蒸留は「ローワイン」、2回目は「フェインツ」、3回目は「スピリット」と呼ばれています。

オルロソシェリーやバーボンの樽で熟成

オーク樽にうつされ、暗く、広大で、芳香に満ちた倉庫に収納されて何年も眠りにつき、ゆっくりとウイスキーが熟成されます。
彼らが使用している樽は以前にオルロソシェリー、バーボンやポートで使用されていた樽を使用しているそうです。

50年以上熟成された樽もある！

樽の大きさに関係なく木は通気性があり、ウイスキーが樽の中で熟成中に水分・アルコール分が蒸発し、最終的な製造量が目減りしていくそうです。
熟成中、樽から毎年2～3％のウイスキーが揮散しています。それを天使がウイスキーを飲んでしまったために減ってしまったとして、「エンジェルズシェア」と呼ばれています。
熟成期間が20年経つと、販売できるウイスキーは半分以下の樽しか残らないため、残ったほんのわずかな量のウイスキーは非常に高価になります。
ブッシュミルズ蒸溜所の倉庫には50年に近い樽やそれ以上の樽が保管してあるのだそうです！

6種のウイスキーをテイスティング！

テイスティングしたウイスキーとは

ブッシュミルズ・シングルモルト10年

バーバン樽とシェリー樽で10年間熟成されたシングルモルト。ピリッとした柑橘類の最初のアクセントが独特のブッシュミルズ蜂蜜の特徴と絡み合い、その後にフレッシュバニラとクリーミーなミルクチョコレートの甘い香りが長く続きます。そして口に含むと、バニラ、ミルクチョコレート、新鮮なスイカズラの芳醇な甘い香りが、トーストしたオークの繊細な香りと融合しています。

ブッシュミルズ・シングルモルト16年

シェリー樽とバーボン樽で16年熟成させたシングルモルトを組み合わせ、ポート樽で1年仕上げたウイスキーがブッシュミルズ16年です。3つの樽を使うことで、ルビーレットにウイスキーの色が変わるのです。キャラメリゼした桃とマンゴーのしっかりとしたフレーバーが、トーストしたアーモンドとクルミの香りと融合し、独特の深さと味わいを感じることができます。

ブッシュミルズ・シングルモルト21年

シェリー樽とバーボン樽を19年熟成したものを、マデイラ樽でさらに2年熟成したものです。これにより、更にまろやかに熟成し、マデイラ樽の影響でより深くフルーツの香りを感じることができます。味わいはダークチョコレートとトフィーの深く豊かなフレーバーが、バニラの甘さ、トーストしたナッツ、わずかに焦がしたオークに先行します。

ブッシュミルズ ブラック ブッシュ アイリッシュウイスキー

非常に大量のモルトを少量のグレーンウイスキーと組み合わせ、シェリー樽とバーボン樽で熟成したものです。ブラックブッシュが豊かでフルーティーな香りと深く強烈な個性を持ち、独特の滑らかさによってバランスが取れているウイスキーです。最も経験豊富なアイリッシュウイスキー愛飲家はブラックブッシュに勝るものがないと言います。

ブッシュミルズ・アメリカン・オーク・カスク・フィニッシュ

double-charred American Oak barrelsで仕上げられたシングルモルトが含まれ、バニラなどのフレーバーとともに3回蒸留のグレーンウイスキーとブレンドされています。濃厚でありながら口当たりはまろやかで、クレームブリュレ、トフィーアップル、バニラのバランスの取れた甘い香りが生まれます。

ブッシュミルズ 12年 ディスティラリーリザーブ

旧スペイン産のシェリー樽で熟成されています。また、ドライフルーツの香りが特徴的で、豊かな風味で複雑なシングルモルトウイスキーです。

テイスティングの様子

ツアーの最後に6種類のブッシュミルズ蒸溜所のウイスキーを楽しむことができます！

テイスティングツアーの感想

素敵なデザインのお部屋で、6種類のウイスキーのテイスティングを楽しませていただきました！
熟成年数や熟成に使う樽によってこんなにも味わいが変わるのかと終始驚きながら美味しくいただきました。

ツアーガイドのTim Cookeさんへインタビュー

Dear WHISKY：
ご経歴をおしえていただけますか？

Tim Cookeさん：
30年間は公安と教育の分野でキャリアを構築し、その後2016年からブッシュミルズ蒸溜所にて働き始めました。

Dear WHISKY：
ウイスキーツアーを始めたきっかけは何ですか？

Tim Cookeさん：
私たちスタッフは、ウイスキーそのものはもちろんですが、ブッシュミルズ蒸溜所の歴史や製造過程も大好きです。この情熱を世界中のウイスキー愛好家たちと分かち合いたいと考えツアーを始めました。この仕事はとてもやりがいと満足感を与えてくれます。

Dear WHISKY：
ブッシュミルズ蒸溜所があるブッシュミルズ村はどのような場所とウイスキー造りとの関係性を教えてください。

Tim Cookeさん：
ユネスコ世界遺産にも登録されている「ジャイアンツ・コーズウェー」からほど近い、アイルランドの起伏に富んだ美しい北海岸に位置しています。また、サント・コロンブ川から引いた水を使用し、ウイスキーを製造しているので、とてもきれいで高品質な水を使うことがでいています。

更にはアイルランドでも数少ない「グレーン・トゥ・グラス」蒸溜所という、穀物からグラスまで造るというモットーを実施している蒸溜所の1つであり、1つの工場で少量ずつ丹念に作っています。

この工程には、モルト蒸留、熟成、ブレンド、瓶詰めといった製造の重要な全工程が含まれ、400年以上にわたり、ブッシュミルズ・アイリッシュ・ウイスキーは、世界最古の認可を受けたウイスキー蒸溜所で、細心の注意と情熱をもって造られ、ウイスキー造りの伝統が代々受け継がれています。

Dear WHISKY：
オールド・ブッシュミルズ蒸溜所のおすすめのウイスキーは？

Tim Cookeさん：
個人的には、ブッシュミルズ・シングルモルト10年が1番おすすめですね。
一般的に、スコットランドやアメリカのウイスキーは2回蒸留されますが、ブッシュミルズは3回蒸留され、よりスムースなスピリッツが生まれます。

私たちは非熟成麦芽のみを使用し、ピート（泥炭）の火ではなく熱風で乾燥させることで、スモーキーな風味はせず、エレガントなスピリッツを造っています。
ブッシュミルズ・アイリッシュ・ウイスキーの楽しみ方に正解も間違いもありませんので、いろいろなウイスキーを試して何が1番自分に合うか試してみることをお勧めします！

まとめ

以上、ブッシュミルズ蒸溜所が開催する「プレミアムツアー＆テイスティングツアー」でした！
世界最古の蒸溜所だけあり、歴史は長く、アイリッシュウイスキーの伝統を貫いて造られているウイスキーは格別なものでした。

世界遺産のジャイアンツコーズウェイもある特別な街にあるオールド・ブッシュミルズ蒸溜所へぜひ足を運んで、歴史を肌で感じてみてはいかがでしょうか？