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ポートエレンの種類と味わい、おすすめの飲み方

2023.04.29 / 最終更新日:2023.11.02

ポートエレンは、かつてアイラ島で生産されていたスコッチウイスキーです。

ポートエレン蒸溜所は1983年に閉鎖されましたが、後に再評価され復活が決定しています。

かつてのポートエレンはアイラらしいスモーキーな香りと華やかな風味が同居した他のアイラウイスキーとは異なる独特な風味を持っていました。

この記事では、ポートエレンの種類と味わい、おすすめの飲み方を紹介します。

この記事のポイント

  • ポートエレンの種類と味わいについて紹介
  • ポートエレンのおすすめの飲み方について解説

ポートエレンとは

ポートエレンは、アイラ島のポートエレン蒸溜所で生産されていたシングルモルトウイスキーです。

1983年に閉鎖されましたが残った原酒は保管されており、後に限定販売を行った影響で再評価された銘柄です。

ポートエレンの復活が望まれる理由は、アイラらしいピートスモークに華やかな香味が強調されており、やや渋めの味わいも感じられる他のアイラウイスキーにはない風味を持っていることが挙げられます

ポートエレンの歴史と製造方法について見ていきましょう。

代表的なアイラモルトについてはこちらの記事で紹介しています。

スコッチ・シングルモルトでおすすめのアイラモルトの特徴と種類について

ポートエレンの設立から復活が発表されるまでの経緯

ポートエレン蒸溜所は、1824年にアレクサンダー・マッカイによってアイラ島のポートエレンの町に設立された蒸留所です。

1930年に一度閉鎖していますが、1967年に再稼働しています。

しかし、1980年代のスコッチウイスキー不況により、1983年に再び閉鎖しました。

閉鎖している間にも、他の蒸留所にモルトを供給するためにモルティング施設のみ稼働していたこともありました。

原酒も保管されていたため、限定販売という形でディアジオ社からボトルがリリースされています。

このような活動によって、閉鎖されている蒸溜所でありながら、再開を待ち望む声が近年になって増えてきました。

2017年、ディアジオ社はポートエレン蒸溜所を復活させることを発表します。

アレキサンダー・マクドナルドをマネージャーに、これまでのポートエレンの味わいを再現しながら、新しいブランドを作り出すことにも挑戦していきたいと語っています

スピリッツセーフを取り入れた蒸溜所

ポートエレンは、日本の山崎蒸溜所をはじめとするさまざまな蒸溜所で取り入れられるようになったスピリッツセーフの先駆者とも呼ばれる蒸留所です。

スピリッツセーフとは原酒の管理方法であり、検査・管理に必要な窓のついた密閉容器で管理します。

蒸留器から得たアルコール濃度などの検査が可能でありながら、品質を保ちやすい管理方法です

また、ポートエレンは蒸溜所の横に大規模であるドラム式の麦芽製造所があるのも特徴です。

閉鎖された蒸溜所ではありますが、設備自体は残っており、再開も現実的なものとなっています。

ポートエレン蒸溜所の詳細についてはこちらのページにまとめています。

ポートエレン蒸留所

ポートエレンの種類と味わい

ポートエレンの種類と味わいについて紹介します。

  • ポートエレン 22年 1stリリース 1979年
  • ポートエレン 24年 2ndリリース 1978年
  • ポートエレン 25年 5thリリース 1979年
  • ポートエレン 37年 16thリリース 1978年
  • ポートエレン40年

ポートエレン 22年 1stリリース 1979年

画像引用:https://www.sake-kaitori.jp/menu/menulist/portellen1st-22y/

オールドボトルなどでは熟成年数の低いポートエレンも一部流通していますが、基本的に近年に販売されたポートエレンは熟成年数が20年以上の長期熟成が前提となっており、価格も数十万円を超えることが一般的であるため、オフィシャルボトルでは入手困難です

こちらのポートエレンは1979年に蒸溜された原酒を使用しており、6,000本限定で2001年にリリースされています。

ピートスモークと潮っぽさを感じるオイリーな味わいに、上品な果実の味わいが感じられる銘柄です。

ポートエレン 24年 2ndリリース 1978年

画像引用:https://item.rakuten.co.jp/fineandrare/10003276/

ポートエレンの24年物は、3rdリリースの1979年蒸溜のウイスキーとともに2回連続でリリースされ、販売本数は2ndリリースで12,000本になりました。

軽やかな味わいにドライな口当たりが特徴であり、アイラらしい風味も感じられるバランスの良い味わいです

ポートエレン 25年 5thリリース 1979年

画像引用:https://www.shinanoya-tokyo.jp/view/item/000000016941

ポートエレン 25年は、4thリリースと5thリリースでリリースされています。

華やかな風味とアイラらしい味わいに加えて、渋みやスパイシーさなどの複雑な風味が絡み合うバランスの取れた味わいです

ポートエレン 37年 16thリリース 1978年

画像引用:https://store.musashiya-net.co.jp/products/detail/14746

ディアジオ社からポートエレンは毎年リリースが続いており、16回まで回を重ねても使用する原酒の年度は変わらないため、熟成年数は37年の長期熟成に成長しており、リリースされた本数は2,940本まで減少しました。

40年近い熟成を経たことで、アイラらしいピートスモークは落ち着きを見せますが、カスクストレングスであることから風味は濃厚にバランスのいい味わいを楽しめます

ポートエレン40年

画像引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000024545.html

ポートエレン 40年は、2021年に1,380本限定でリリースされた大変希少な長期熟成の高級銘柄です。

80万円という価格で販売され、50.9度のアルコール度数でボトル詰めされたこちらの商品は、飲むにもコレクション目的においてもアイラウイスキーの愛好家にとって憧れのボトルといえるでしょう

ポートエレンのおすすめの飲み方

ポートエレンのおすすめの飲み方について解説します。

  • ストレート
  • ロック

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ストレート

ポートエレンは、長期熟成のシングルモルトであることから、基本的にはストレートで楽しみたいウイスキーです。

アイラらしい味わいのなかに感じる華やかな風味を感じることができるようになるので、おすすめの飲み方です

ストレートで美味しいウイスキーの条件についてはこちらの記事で紹介しています。

ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?おすすめの銘柄4選

ロック

長期熟成のスコッチに興味はあってもアイラモルトのピーティーなスモークがそこまで好きではない方や、味わいの変化を楽しみたい方はロックを選択しましょう

風味がストレートよりも丸くなるので、飲みやすい印象に変化します。

ロックの作り方についてはこちらの記事で紹介しています。

ウイスキーのロックのおすすめの飲み方は? おいしく飲むための作り方もご紹介

まとめ

ポートエレンのオフィシャルボトルは、希少性の高さと投資家層の参入により、プレミアが付き価格が大きく高騰している状態です。

ボトルを入手するなら、ボトラーズを頼る方法もありますが、ボトラーズでリリースされている商品の価値も上昇しており、幻のウイスキーと称されています。

蒸留所が復活するため、今後新たにリリースされるポートエレンを飲む機会はあるかもしれませんが、閉鎖される前の原酒の価値は年々高まっていくことが予想されます。

かつてのポートエレンを味わいたい方は、取り扱っているバーを探して飲みに行くのが、ボトルを入手するよりも費用もかかりにくく、飲みやすい方法です。

ポートエレンは人気漫画の『刃牙』にも登場している銘柄です。漫画からウイスキーに興味を持つならこちらの記事をチェックしてください。

『刃牙(バキ)』に登場するウイスキー銘柄3選 それぞれのエピソードを解説

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