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ポートシャーロットとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

2022.06.18 / 最終更新日:2022.06.18

ポートシャーロットはアイラ島で造られているシングルモルトウイスキーです。

アイラ島のウイスキーといえば、ピート感の強い独特のスモーキー感を持つだけでなく、周りが海に囲まれているせいもあって潮っぽさを感じられる個性豊かな風味が特徴です。

アイラ島には9つの蒸留所がありますが、ポートシャーロットは独立した蒸留所は持っておらず、同じアイラ島内の1881年に設立したブルックラディ蒸留所で造られています。

ブルックラディとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

ブルックラディでは複数のタイプのシングルモルトウイスキーの他にジンも生産しており、ボトリングまで全ての工程を一貫して行っている数少ない蒸留所です。

2023年までにモルティング施設も作られる予定とのことなので、そうなれば100%アイラ産のウイスキーと言える蒸留所になるでしょう。

本記事ではポートシャーロットの種類と製法と歴史について解説し、おすすめの飲み方も紹介します。

この記事のポイント

  • ポートシャーロットの蒸留所や歴史を紹介
  • ポートシャーロットの味わいを堪能できるおすすめの飲み方を解説

ポートシャーロットの蒸留所・歴史

オクトモア

ポートシャーロットはスコットランドのアイラ島の村で、インナーヘブリディーズ諸島にあり、ブルックラディ蒸溜所の隣に位置します。

ポートシャーロットを造っている蒸留所、ブルックラディ蒸留所は1881年に設立されました。

しかし、かつてはポートシャーロットの蒸留所の前身となるロッホインダール蒸留所があり、場所はロッホインダールで働く労働者の施設だったといわれています。

ロッホインダール蒸留所は1829年に創業を開始しました。

創業当初はポートシャーロット蒸留所という名前で稼働していましたが、後に改称します。

1829年〜1929年まで稼働しており、ロッホインダール蒸溜所へ改称したあとも操業を続け、1880年代には年間58万Lのウイスキーが作られていました。

しかし1920年にベンモア・ディスティラリーズ社に買収された後は世界恐慌に巻き込まれ蒸留所閉鎖へと追い込まれます。

その際、閉鎖後はほとんどが解体されたものの、一部はバター工場として残った2棟の倉庫は熟成庫として稼働しています。

その後、2001年にブルックラディ蒸留所が再稼働しますが、ロッホインダール蒸留所に敬意を込める意味を込めてポートシャーロットの蒸留も開始し、現在に至ります。

ポートシャーロットの製法

ポートシャーロットはブラックラディ蒸留所で造られていますので製法は基本的に同じですが、ブラックラディ蒸留所が製法の上で一番大切に心がけていること。

それは『テロワール』です。

これは原料をスコットランド産にするということにこだわっていることから始まっているのですが、『テロワール』とは土地を意味するterreから派生した言葉で、元々はワイン、コーヒー、茶等の品種における、生育地の地理、地勢、気候による特徴を指すフランス語になります。

同じ地域の農地は土壌、気候、地形、農業技術が共通するため作物にその土地特有の性格を与えるのです。

モルティングはサルディンボックス(フロアモルティングを機械的に大きくやるようなイメージ)を採用しています。

また、ブラックラディ蒸留所には各モルトに探求があります。

ポートシャーロットの場合は樽の探求に力を入れており、ポートシャーロットのOLCはオロロソシェリー樽で熟成されており、以前のMRCも最高級のフレンチワイン樽を使用していました。

ポートシャーロットは美味しいバーベキューの燻煙にどのように樽の影響を調和させていくかというのが探求のようです。

ポートシャーロットの特徴・味わい

ポートシャーロットはヘビリーピーテッドのウイスキーでフェノール値が40PPMあります。

フェノール値とはスコッチウイスキーの原料となるモルトのピートでの乾燥レベルのことです。

スモーキーの香りの強さのレベルを表す指標であり、ポートシャーロットは40ppmあります。

40~50ppmはよくスモークされたウイスキーとされます。

ちなみに原料には、フェノール値0ppmのブルックラディ用の麦に80ppmのオクトモア用の麦を掛け合わせて、40ppmになるように工夫されています。

熟成に多くのアメリカンオーク樽を使用し、さらにバーボン樽によって特有の奥深い風味を決定づけています。

ポートシャーロットはノンピーテッドのブラックラディと違い、スモーキーな味わいを楽しめますが、他のアイラ島のウイスキー特有のヨード香、人によっては正露丸っぽい匂いと言われる香りはしません。

これは本土のピートを使わず、スコットランドのインバネス州にある昔のカレドニアの方からピートをとっているのでその木からは木を燃やした煙の味わいがするのです。

そのため、他のアイラ島のウイスキーと比べてヨード香がしないのです。

バーベキューのようないい香りです。

しかし、2023年までにアイラ島のピートを使用できるための施設をつくるそうです。

味わいも恐らく変わってくるので楽しみなところですね。

ポートシャーロットの種類

ポートシャーロットのおすすめラインナップをご紹介します。

ポートシャーロット アイラバーレイ

画像引用:bruichladdich.com

アイラバーレイはアイラ島内の農場で収穫された大麦を使用して造られたウイスキーになります。

アルコール度数は50%と少し高め。

熟成にはファーストフィルのアメリカンウイスキー樽を75%、セカンドフィルのワイン樽を25%使用しています。

マスターディスティラー、ジム・マッキュワン氏のこだわりの『テロワール』が風味にも表れており、

アロマはアイラ島の土を思わせるタールのスモーキーさ。

そこへ柑橘類の爽やかさや、完熟フルーツの爽やかな甘さが見事な調和をしている一品です。

味わいは、繊細なピーティさを持っており華やかな味わいが特徴的です。

ポートシャーロット MRC:01 2010

画像引用:bruichladdich.com

MRCとはボルドーの最高級ワイン『ムートン・ロートシルト』を指します。(Cとはカスクのことです。)

カスクフィニッシュの第一弾で、ボルドー地方の最上級シャトーで使用されたフレンチオークで熟成した銘柄です。

アロマはピートの暖かなスモーキーさとバニラ香、チョコレートの甘みやコーヒー豆を炒ったような香ばしさ。

味わいは甘味が強く、シロップのような甘味、柔らかいピートにメープルシロップ、コーヒーの苦みと次々と印象が変化していく印象があります。

ポートシャーロット OLC:01 2010

画像引用:株式会社イズミセ

OLCとはオロロソシェリーカスクの頭文字を取っています。

ヘビリー・ピーテッドのシングルモルトウイスキーをファーストフィルバーボン樽やヴァン・ドゥ・ナチュレル樽、セカンドフィル・シラー樽を中心に様々な樽で熟成させたのちにブレンドし、最高品質のオロロソ・シェリーのホグスヘッド樽で18か月熟成しました。

アロマは土っぽさのあとにダークチェリーのようなフルーティさ、トフィーの甘さ、ハチミツ、メープルシロップから、香ばしさをもった柑橘系のフルーティさとスパイシーな温かいワイン。

味わいはドライな風味が、じんわりと広がりオロロソ・シェリー樽由来のフレーバーとピートスモークが、際立ちます。

そしてイチジク、柑橘のフルーティーな甘さ、そしてナッツたっぷりのヌガーチョコの風味。

もう一度口に入れると、タバコ、より土っぽいスモークの深い味わいが、ピリッとした刺激をあたえます。

ポートシャーロット 10年

画像引用:bruichladdich.com

ポートシャーロットのスタンダードボトルになるのが、こちらの『10年』になります。

熟成には2種類のアメリカンウイスキー樽の他にフレンチワイン樽を使用しているのも大きな特徴です。

力強いピートの風味とともに、濃厚な甘味も感じられる仕上がりです。

10年の長期熟成により角がとれて丸みのある柔らかな風味に仕上がっています。

メープルシロップのような甘味にジンジャーやクローブなどのスパイス感、カスタードクリームの華やかな甘みが楽しめます。

アイラ島特有のスモーキーさとピートスモーキー、モルトの優しい甘みが同時に堪能できる1本です。

ポートシャーロット スコティッシュバーレイ

画像引用:bruichladdich.com

ヘビリーピーテッドの40ppmにピートされたスコティッシュ・バーリーは、ボウモア蒸留所で働いていたジム・マキューアンによって選択された樽のプロファイルから作られました。

アルコール度数50%でアメリカンオーク樽で熟成されました。

力強いスモーキーさはありますが、バーベキューの燻煙のような感じで心地よい香りが特徴です。

味わいは生クリームやキャラメルといった甘みが強く感じられます。

フィニッシュには熟成の甘みやコクが感じられます。

ポートシャーロットのおすすめの飲み方

ポートシャーロットのおすすめの飲み方は『ストレート』です。

しかし、スモーキーさがあるので、水割りやロック等で幅広い飲み方もできます。

バーベキューをするときのような煙ですので、心地いいスモーキーさがあって食中酒としても最適です。

銘柄によってはフルーティさあるものもありますので、初心者の方でも楽しめると思いますよ。

まとめ

アイラ島のウイスキーと聞くとヨード香、人によっては正露丸のような香りが気になるところですが、ポートシャーロットはヨード香を利かせないような工夫がされており、全ての工程を自社で行う工夫に余念がありません。

2023年にはピート工場をつくり、完全100%ブルックラディ蒸留所でウイスキーをつくりたいという情熱にあふれており、この先が楽しみな蒸留所ですね。

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