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白州は森が育んだウイスキー!種類と味の特徴を活かす飲み方を紹介

2021.09.05 / 最終更新日:2021.09.05

白州は世界的に人気の高いシングルモルトウイスキーです。

原酒不足により12年物が販売休止になったという話題を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。

サントリーのシングルモルトというと「山崎」が看板商品ですが、白州も負けていません。

ジャパニーズシングルモルトの存在を世に知らしめたのが山崎なら、白州は日本らしいシングルモルトを極めた感があります。

この記事では、白州の種類や味、おいしい飲み方などについて解説します。

白州というウイスキーを育んだ環境

同じメーカーに高い人気を誇る「山崎」というシングルモルト、「響」というブレデッドウイスキーがある中で、なぜ、白州は多くの人から選ばれているのでしょうか。

その答は、白州が育まれた環境にあります。

まずは、白州がどのような環境で誕生し、育まれてきたのかを紹介します。

森の中につくられた白州蒸留所

白州というブランド名は、モルトがつくられた蒸留所の名前に由来するものです。

白州がつくられている蒸留所は、先に名前を挙げた「山崎」「響」がつくられている大阪の山崎蒸留所ではありません。

白州蒸留所は、南アルプスの麓にあたる山梨県北杜市の、およそ82万平方メートルにも及ぶ広々とした森の中にあります。

ウイスキーの蒸留所はそもそも自然豊かな場所に建てられているものですが、とりわけ白州蒸留所は特殊な立地です。

世界でもとくに珍しい立地に建てられているため、「森の蒸留所」と呼ばれています。

森の中に蒸留所をつくったのは、近くにウイスキーに適した水を採取できる場所があるからです。

しかし、メリットはそれだけではありません。

樽詰めしたウイスキーを長期間寝かせるのに最適な環境であることが、とても大きな理由になっています。

周りを囲む深い森には澄んだ空気、柔らかな日差し、適当な温度・湿度といった自然条件が揃っています。

とくに日本には四季があるため、年間通じてウイスキーに適した環境を保つというのは簡単なことではありません。

長い年月をかけて熟成させるウイスキーにとって、育まれる環境は独特の色や香り、味わいを生み出す大切な要因になっています。

白州の色、香り、味わいは、白州蒸留所でしか作り出せないものです。

白州蒸留所の類まれなる立地が、白州の持ち味を作り出しているといっても過言ではありません。

清らかな水、よく澄んだ空気、冬の厳しい気候。

白州独特の香りや味わいには、生命力に満ちあふれた森の息吹が溶け込んでいます。

決め手はおいしい水の存在

ウイスキーは「自然と人間の共作」といわれることがあります。

それは、ウイスキーが自然の力を必要とするものだからです。

実際、シングルモルトづくりには、適度にミネラル分を含む軟水が欠かせません。

白州蒸留所が位置するのは、南アルプスの麓です。

周囲を連なる山々に降り注いだ雨や雪解けの水は、大地に染み込んだ後、20年ほどの歳月をかけてゆっくりと花崗岩層を通過します。

自然にろ過され、ウイスキーづくりに適したおいしい水になるのです。

そもそも、白州の森の中に蒸留所がつくられたのは、山崎蒸留所とは異なる個性のウイスキーを生み出すためでした。

初代チーフブレンダーの大西為雄は、「水の狩人」とまで呼ばれた人です。

理想の水を追い求めて、数年かけて全国を調査して回りました。その結果、たどり着いたのが白州の森というわけです。

白州の地に蒸留所が完成したのは、1973年。山崎の地でサントリーが日本初の国産ウイスキーを作り始めてから、50年後のことでした。

白州」の味わいは、白州の森が分け与えたものといっても過言ではありません。

豊かな森が育んだおいしい水こそが、品質のよいウイスキーの源です。

そこで、白州蒸留所では、森の環境変化に敏感な野鳥をバロメーターとして保護していくことが、ウイスキーに適したおいしい水を守っていくことにつながると考えました。

そのため、白州の森の中には、バードサンクチュアリが作られ、野鳥たちが守られています。

白州蒸溜所周辺に広がる森の自然を守り、未来に引き継いでいくことが、その恵みを利用する者の務めと考えているからです。

山崎とは異なる原酒の作り方

白州蒸留所が目指すのは、山崎蒸留所とは異なる、白州ならではのモルト原酒づくりです。

そのため、原料の仕込みから発酵、蒸溜、熟成まですべての工程で、白州独特の香りや味わいを生み出すための工夫が重ねられます。

自然の恵みを十分に活かして、モルト原酒を多彩につくり分け、それぞれの個性を見極めたうえで組み合わせて、白州の個性的な香味に仕上げるのです。

世界でも類を見ないほど多彩につくり分けされた原酒を、白州らしい香りや味わいに仕上げるブレンダーの技術の高さは、「匠の技」というに値します。

ちなみに、白州蒸留所で発酵、蒸留、熟成の各工程で行われている工夫は次のようなものです。

発酵:昔ながらの木桶発酵槽で発酵させています。木桶を用いた発酵は管理が難しいため、採用している蒸留所は希少です。

木桶発酵ならではの乳酸菌や微生物などの働きが、「白州」の独特の味わいや深い香味を生み出しています。

蒸留:山崎蒸溜所とは大きさや形状が異なる蒸留釜を複数設置し、それぞれを使い分けて香りや味わいの異なるモルト原酒を作っています

貯蔵:熟成のために使用する樽の材質や形状、前歴をできるだけ多彩にし、それぞれを使い分けています。

モルト原酒を異なる種類の樽に移し、じっくり時間をかけて熟成させることが、微妙な香味の違いを生み出すための工夫です。

白州の種類は?

白州のラインナップは、ノンエイジ1種類と、熟成年数の異なるエイジドが3種類の計4種類です。

ラベルに熟成年数の表記が入ったエイジドは、原酒不足により販売が見送られるケースがあり、通常では手に入りにくくなっています。

もしも入荷しているのを見かけたら、かなりの幸運です。ぜひ購入して味わってみましょう。

白州(ノンエイジ)

白州蒸留所でつくられた多彩なモルト原酒の中からブレンダーが理想的なモルトを選び、絶妙に組み合わせてつくり上げたシングルモルトウイスキーです。

色は明るく輝く金色。森の若葉を感じさせるみずみずしく清々しい香りは、すだちやミントのようです。

ほんのりと漂うスモーキーフレーバーがウイスキーらしさと奥行きを出しています。

ほのかに酸味があり、軽快かつ爽やかなすっきりとした味わいです。

かすかなスモーキーフレーバーとほのかな甘みが余韻として漂いますが、すっきりとしたキレのよさも感じます。

多彩な原酒の掛け合わせによって生まれた個性を楽しむ1本です。

サイズは700mlと180mlの2種類。アルコール度数はいずれも43です。

白州12年

白州蒸留所でつくられ12年以上熟成したモルト原酒のみを、ブレンダーが吟味し、ヴァッティングしたシングルモルトウイスキーです。

色は明るい金色で、新緑を感じさせる爽やかな香りの中に甘く優しい青りんごのような果実香が漂います。

ウイスキー独特のスモーキーフレーバーも感じられますが穏やかです。

ふくよかでフルーティーな味わいはコクがありつつもキレがあります。

余韻は、柔らかく甘い香りとスモーキーフレーバー。すっと切れよく消えます。

サイズは700mlのみで、アルコール度数は43度です。

白州18年

白州蒸留所でつくられたモルト原酒を18年以上長期熟成し、ヴァッティングしたシングルモルトウイスキーです。

濃い黄金色と、メロンやマンゴーのようなよく熟した甘い果実の香りの奥に感じるほのかなスモーキーフレーバーの深さが長期熟成の証です。

蜂蜜のような濃厚な甘みとかすかな酸味、豊かな樽香が絶妙なバランスでマッチしています。

熟した果実香の奥にかすかに漂うスモーキーな余韻は、白州らしい爽快で心地よいものです。

サイズは、700mlのみ。アルコールは43度です。

白州25年

25年を超える熟成期間を経た希少な白州モルト原酒のみを選り抜き、匠の技でヴァッティングしたものです。

ピートが効いた原酒を果実味が染み込んだシェリー樽で熟成させているため、柿やマンゴーのような芳醇なフルーツの香りとウッディな樽香がします。

白州らしいスモーキーさも感じられ、バランスが絶妙です。

赤みがかった琥珀色、クリーミーな口当たり、円熟味がある甘い香り、長く深い余韻が、熟成期間の長さを物語る、数量限定生産・至極の1本。

サイズは700ml、アルコール度43度です。

白州の人気を世界的にした数々の受賞歴

白州は発売以来、国内外のウィスキーファンから絶大な人気を誇るブランドです。

イギリスやアメリカで開催される、権威ある酒類のコンペティションにおいて、優秀な成績を収めるたびに、人気に拍車がかかり、原酒不足にまで陥りました。

白州も12年物が販売休止と陥ったほどです。

代表的な4つの酒類コンペティション

ISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)

1年に一度開催される酒類の品評会です。主催は「ドリンクス・インターナショナル」というイギリスの酒類専門誌で、ウイスキー、ブランデー、テキーラ、ジン、ウォッカなどの部門に分けて審査が行われます。

審査方法は、各部門のカテゴリーごとのブラインド・テイスティングです。

「ダブルゴールド」「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」の各賞が選ばれ、ダブルゴールドの中から更に、最高賞となる「トロフィー」が選ばれます。

SWSC(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション)

アメリカで開催される最大のスピリッツコンペティションです。ホテルやレストラン、バイヤー、ジャーナリストなどから選ばれた審査員がブラインド審査を行います。

カテゴリーごとに「最優秀金賞」「金賞」「銀賞」「銅賞」を選ぶ形式です。

IWSC(インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション)

イギリスで開催される国際的なスピリッツの品評会で、毎年1回開催されます。

ウイスキー、ブランデー、ラム、ホワイトスピリッツ、リキュールの5部門に、世界中から多数のエントリーがある大きな賞です。

WWA(ワールド・ウイスキー・アワード)

ウイスキーのワールドコンテストで、主催は「ウイスキーマガジン」です。

世界各国でエントリーされたウイスキーの中から、その国の代表を選出したうえで、最終選考が行われます。

シングルモルトウイスキーとブレンデッドウイスキーの部門があり、ブラインドテイスティングによる審査を経て、部門ごとに最高賞が1点だけ選ばれるという仕組みです。

白州の輝かしい受賞歴

白州12年には、数々の受賞歴があります。

IWSCでは2009年と2010年に金賞「ベスト・イン・クラス」を受賞。2年連続の快挙です。

ISCでは2012年に金賞を受賞、SWSCでは2012年と2014年に金賞、2011年、2013年、2016年の3回最優秀金賞を受賞しています。

18年物も2006年にISCの金賞受賞以降、数多くの受賞歴があります。

ISCの金賞は2006年、2009年、2013年、2014年、2016年、2017年の合計6回受賞です。

IWSCでは、金賞「ベスト・イン・クラス」を2007年と2010年に、最高賞「トロフィー」を2010年に受賞しています。

それ以外に、SWSCの最優秀金賞を2015年と2016年に受賞。こちらは2年連続の快挙です。

25年物も数量限定生産ながら、数多くの受賞歴を持っています。

ISCは、2008年以降8回の金賞受賞と2012年と2018年の最高賞「トロフィー」という輝かしい受賞歴です。

2009年と2011年にはIWSCの金賞を、うち2009年は「ベスト・イン・クラス」を受賞しました。

さらに、2018年には、WWAでワールドベスト・シングルモルトウイスキーに選ばれています。

白州の持ち味を引き出すおすすめの飲み方

森の恵みに育まれた白州は、すっきりと爽快な味わいです。

色、香り、味わい、余韻いずれからも雄大な自然が感じられます。お気に入りのグラスに注いで、白州のよさを存分に味わいましょう。

シングルモルトの飲み方というと、個性を味わうために、まずはストレートからというケースが多いのですが、白州はハイボールがおすすめです。

白州のブランドサイトでも、「森香るハイボール」として作り方が紹介されています。

白州のおいしさを活かすためのポイントは、次の4つです。

白州のおいしさを活かすためのポイント4つ

    • 1. グラスに氷をぎっしり詰め込む。
    • 2. よく冷えた炭酸水を使う。
    • 3. 白州1に対して炭酸水は3~4の割合。
    • 4. 炭酸を入れたらかき混ぜるのは軽く1回だけ。

白州のすっきりとした味わいは、炭酸水との相性が抜群です。

炭酸水はもちろん、グラスもしっかり冷やしておきましょう。

冷たい炭酸水で割ることで、白州の持ち味であるフルーティーな香りと甘みが引き立ちます。

食事と一緒に味わうのもおすすめです。

食事の味を邪魔しません。

あっさりとした和食にも、こってりとした中華や洋食にもよく合います。

飲みごたえが欲しい場合は、白州1に対して炭酸水2の濃いめに作ってもよいでしょう。

白州を育んだ森を感じながら味わおう

白州は森の恵みによって生まれ、育まれたウイスキーです。

酒齢に関係なく、香りにも味わいにも余韻にも新緑のさわやかさがひそんでいます。

そよ風のようにすっと通り抜けていくキレのよい余韻も、白州ならではの魅力です。

個性はありつつ強いクセはないところが、日本人に好まれるのかもしれません。

目を閉じて森を感じながら味わってみましょう。

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