12月17-18日に、東京都のベルサール高田馬場で「JAPANESE FES 2022 in TOKYO」が開催されました!
イベントレポ―ト第一弾として、ジャパニーズフェス全体の概要やトークショー、ウイスキー文化研究所代表の土屋守さんへのインタビュー記事を公開しています。まだの方は、そちらも是非ご覧ください!
【イベントレポート】JAPANESE FES 2022 in TOKYO 第一弾
今回はそちらに続く第2弾ということで、出展していた蒸溜所の方などに、インタビューをさせていただきました! それぞれの蒸溜所さんの想いや今回のイベント出店背景など多くのことをお伺いしました!普段では知りえないことも非常に多くお伺い出来ましたので、インタビュー編第1弾をぜひご覧ください!
【イベントレポート】JAPANESE FES 2022 in TOKYO 第3弾
竹鶴政孝さんの元で創業したニッカウヰスキーのウイスキーや焼酎を始め、テネシーウイスキー「ジャックダニエル」を持つ日本を代表する飲料メーカーです。 そんなアサヒビールの方々にお話をお聞きしました。
Dear WHISKY: ウイスキーを普段あまり飲まない方へのおすすめはありますか?
アサヒビール: ウイスキーをよく飲む方は、蒸溜所の特徴が出るシングルモルトを始め、ご自分の好みに合わせたウイスキーを選んでいただくのが良いと思いますが、飲み始めの方はブラックニッカやスーパーニッカなどを水割りやハイボールにするのがおすすめです。 その中でも特に、スーパーニッカは長年人気の商品でもあり、水割りにしてもおいしいという自負があります。
Dear WHISKY: 来年でジャパニーズウイスキー100周年ですがお気持ちはいかがですか?
アサヒビール: ジャパニーズウイスキーが100周年であると同時に、ニッカウヰスキーも再来年に90周年を迎えます。それに向けて様々な提案をしていきたいと考えています。
続いて、トークショーにも登壇していた、ブレンダー室長チーフブレンダーの尾崎さんにお話をお伺いしました。
Dear WHISKY: ニッカウヰスキーといえば余市と宮城峡が思い浮かびますが、それぞれの特徴は何ですか?
尾崎さん: 余市は、「石炭直火蒸溜方法」を用いていることや、ポットスチルの形状がストレートヘッドを用いていて、上部のラインアーム(冷却器へつながるパイプのような部分)が下向きになっています。 これにより、厚みやボディ感のあるウイスキーができます。また、ピートが効いているスモーキーフレーバーも余市原酒の特徴のひとつと言えます。 一方で宮城峡は、余市とは違うタイプの原酒を造りたいという想いから出来た蒸溜所であり、こちらの製法は「蒸気間接蒸溜方法」を用いています。また、ポットスチルの胴体部分が丸いふくらみをもつバルジ型で、ラインアームが上を向いています。 だからこそ宮城峡は、軽く華やかでエレガント、そしてフルーティーな原酒です。また、シェリー樽を使用したドライフルーツのような甘い香りの原酒も宮城峡の特徴のひとつです。
Dear WHISKY: ウイスキーを飲み始めたばかりの人に伝えたいメッセージをお願いします!
尾崎さん: ウイスキーには色々な種類があります。だからこそまずは、くせのないもの、ブレンデッドウイスキーやハイボールなど、飲みやすいものから飲んでみて欲しいです。 そこから徐々に個性的な風味のあるものを飲んでみてください。
東北最古の地ウイスキーメーカーである笹の川酒造・安積蒸溜所では、2014年に蔵の中で眠っていた笹の川酒造のウイスキーが目を覚まし、「YAMAZAKURA」としてリリースされました。2016年冬に安積蒸溜所として始動した歴史あるこの蒸溜所にお話をお聞きました。
Dear WHISKY: 今回ジャパニーズフェスに出展を決めた背景は何ですか?
安積蒸溜所: クラフトウイスキーの文化が2016年頃から始まっている中で、自分たちはその初期から様々なイベントに参加してきました。そのようなイベントの中で、クラフトウイスキーの文化を引っ張っていける存在になりたいと思っています。 また、逆に自分たちも何か参考になる部分があれば積極的により入れていきたいと考えています。何よりも、蒸溜所同士の交流が非常に大切だと考えています。
Dear WHISKY: ウイスキーやボトルを通して皆さんに伝えたいことは何ですか?
安積蒸溜所: 方針としては、幅広い皆さんに飲んでいただきたいという思いから、個性的なウイスキーというよりは、ノンピートを中心として親しみやすいウイスキーを造っています。
十山株式会社が所有する井川蒸溜所は、静岡駅より車で4時間の静岡市井川地区の最奥、南アルプスの大自然あふれる環境の中にある蒸溜所です。
Dear WHISKY: なぜ全く違うウイスキー事業を始めようと考えたのですか?
井川蒸溜所: 私たちは製紙会社が前身で、南アルプスに広大な社有林を所有していました。 南アルプスの大自然を活かした事業を模索する中で、この社有林の環境が、ウイスキーの熟成に適した冷涼な気候であり、ウイスキー造りに適した上質な水が得られる地であること、ミズナラなどの木材資源も豊富なことから、遠隔地ながらも蒸溜所を開所しました。
Dear WHISKY: ジャパニーズフェスに出展しようと思った決め手は何ですか?
井川蒸溜所: 長期熟成のウイスキーを目指している中で、皆様に井川蒸溜所の将来に期待感をもって頂きたいこと、現段階のニューボーンをどのように評価頂けるのかを客観的に捉える機会として今回の出展を決めました。 今回出品したニューボーンの熟成期間は1年半です。再来年で3年目を迎えるので、井川蒸溜所のこれからに期待してください!
明治21年に始まった江井ヶ嶋酒造は100年以上の伝統を誇り、現在までに数多くのウイスキーを展開しています。7つの木造蔵を所有し、それぞれ別の使用用途で全て稼働しています。 地ウイスキーを多種多様に展開し、歴史のある江井ヶ嶋蒸留所にお話をお聞きしました。
Dear WHISKY: 飲み手の方にあかしのこういうところを味わってほしいなどありますか?
江井ヶ嶋蒸留所: 原酒が同じでも熟成環境が違うだけでとても変わるのがウイスキーです。 江井ヶ嶋蒸留所は、ボトルの名前にもあるように、明石という目の前が「海」という環境だからこそ、山とは全く異なる独特の熟成を行っています。 ぜひそういった背景を思い浮かべながら飲んで欲しいです。特に新商品は、瀬戸内海の海をイメージしているのでそこも楽しんでください。
Dear WHISKY: こだわっていることや大切にしていることはありますか?
江井ヶ嶋蒸留所: おいしい商品を作るのはもちろん、それに加えて「テーマ」を決めてそのテーマに合う味を作っています。特に、6種類の樽を用いた「シングルモルトウイスキー 江井ヶ嶋SEXTET」ですね。どこの蒸溜所でも作れない江井ヶ嶋を強調した商品になっています。 また、今回は特別仕様の「ジャパニーズフェス2022 in 東京 限定ボトル」を始め5種類の展開であったが、来年はまた異なるものを用意する予定なので、楽しみにしていてください。
Dear WHISKY: ウイスキー初心者の方や愛好者の方、皆様に向けて一言お願いします。
江井ヶ嶋蒸留所: 今、ウイスキーの蒸溜所が日本に70以上あります。弊社は103年前の1919年に製造免許を取得して、実際ウイスキーを造り始めたのが1961年で60年以上にわたってウイスキーを造っています。歴史がありますので、その積み重ねの味です。しかし、設備や技術も日々更新しているからこそ、歴史にあぐらをかいているわけではなく、常に進化しています。 昔から味わってくれる人には「進化」を味わってほしいし、初心者の方には老舗でもこれだけおいしい、さらに新興とは違う「深み」を味わってほしいです。
終売・休売のウイスキーなど国内外の貴重なオールドボトルを取り揃えている、まさに「お酒の美術館」。オールドボトルの品揃えは業界でも有名であり、そのうえでリーズナブルな価格を誇っています。 京都を中心に全国各地にBarを50店舗以上展開しています。そんなお酒の美術館さんにお話をお伺いしました。
Dear WHISKY: 今回のジャパニーズフェスにはなぜ出展を決めたのですか?
お酒の美術館: Barの店舗数も50店舗を超え増え続けているのもあり、PRも兼ねて出展を決めました。 今回がジャパニーズフェスということで、私たちも国内外問わず様々なボトルを用意するというよりかは、国内のオールドボトルに絞って出品させて頂いています。
Dear WHISKY: 全国50店舗以上Barを展開する中で今後どのような未来を見据えていますか?
お酒の美術館: 最近は、駅ナカでの出店やキッチンカー、さらには大手コンビニと締結してコンビニ内に出店するコンビニバーの出店も行っております。 このように、馴染みのない方には少し入りにくいイメージや雰囲気のあるBarにおいて、あらゆる生活シーンにバー文化を、という理念のもと、どなたでも入りやすいBarを目指し、展開していきます。
「嘉之助蒸溜所」は1883年創業の本格焼酎の蔵元、小正醸造が2017年よりウイスキーの製造を始めたクラフトディスティラリーです。その後、2021年8月1日をもって小正醸造株式会社から新設分割となり、嘉之助蒸溜所におけるウイスキー製造事業を小正嘉之助蒸溜所株式会社が継承しました。
Dear WHISKY: ジャパニーズフェス出展の経緯を教えてください。
嘉之助蒸溜所: まず私たちはブースが2つに分かれています。その理由というのも、ウイスキー専門の嘉之助蒸溜所と小正醸造でブースを分けたかったからです。 今回のフェスでは、造り手と飲み手が交流できる貴重な機会だからこそ、皆様に気軽に来て飲んで頂きたいです。そして、そのうえで嘉之助蒸溜所という名前を知ってもらいたいという気持ちが強くあります。
Dear WHISKY: 嘉之助蒸溜所だからこそのこだわりや、おすすめの飲み方について教えてください!
嘉之助蒸溜所: 実はグレーンウイスキーはうちでは造っていなくて、隣の焼酎蔵で造っています。もともと焼酎の良さを広めるためにウイスキー造りを始めましたが、前からあった機械で造ることもできたからこそ、グレーンウイスキーを作りやすかった点が大きいです。 またうちでは通常、こだわりとして加水せずにカスクストレングスで販売させて頂いているので、お客様の好みで加水して思い思いのウイスキーを楽しんで欲しいです。
Dear WHISKY: ウイスキーにこめる想いをお聞かせください。
小正芳嗣さん: 私たちは焼酎造りをベースにしていますが、ウイスキーはウイスキーとしてしっかり造りこむということは品質面においても重要で、非常に大切にしています。あとは、鹿児島という場所の性質上、熟成が早いという特徴もありますし、海沿いでやっているのでその点も他のウイスキーとは異なる所かなと思っています。 1つ1つの蒸溜所がそれぞれの土地の特徴を最大限活かしたウイスキーを造るのがウイスキー造りの基本だと思っていますし、私たちは今後もそれを実践していきたいと思っています。
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