今回は西新宿にあるBAR FIVE Arrowsの支配人である村上雄基さんにカクテルについてインタビューさせていただきました。
村上さんは季節のフルーツカクテルと香りに着眼した創作カクテルを得意としており、水を大切に扱うことでカクテルに“柔み”を含ませます。そんな村上さんが作るカクテルとは一体どのようなカクテルなのでしょうか?また、カクテルの“柔み”とは何でしょうか?このような疑問を全てインタビューでお伺いしてきました。さらに、ここでしか聞けないような貴重なお話もたくさん聞かせていただきました。全国のカクテル好きの方、必見です!
まずは、弊社がウイスキー総合メディアということでBAR FIVE Arrowsのメニューにはないですが、村上さんのオススメのウイスキーベースのカクテルを教えていただきました。
Dear WHISKY: カクテルがお得意とのことですが、ウイスキーをベースにしたものでオススメのカクテルを教えて下さい!
村上さん: やっぱりクラシックで有名なスコッチウイスキーを使用したロブロイですかね。あとは少し珍しいですが、ブールバルディエもオススメです。ブールバルディエはウイスキーベースのカクテルで僕が最も好きなカクテルです。
こちらの2つのカクテルは非常に難易度の高いカクテルになっているそうです。
また、ロブロイに関してはバーテンダーさんの間では「突き詰めるカクテル」呼ばれているそうです。
ロブロイと共にマンハッタンもそう呼ばれることがあるそうなのですが、マンハッタンはどちらかというと普遍的なため、村上さんはスコッチウイスキーを使用したロブロイ、リキュールを使用したブールバルディエに関心を抱いたそうです。
また、カクテルが得意な村上さんですが、ウイスキーを使用したカクテルを作る時にはどのようなこだわりがあるのでしょうか。
Dear WHISKY: こちらのウイスキーベースのカクテルを作る際に他のお酒を使用したカクテルと異なる点や、意識している点などありますか?
村上さん: 最もこだわるのは「温度」と「水」です。温度を冷やしすぎてもウイスキーの風味が消えてしまいますし、ウイスキーはとても繊細なお酒のため、少し水が加わるだけでもかなり雰囲気が変わります。 水を入れすぎたり逆に入れなさすぎると少しえぐみが出たりしてしまうため、カクテルを作る際は必ず「苦味」を入れるようにしています。
Dear WHISKY: 「苦味」というワードが登場していますが、甘いカクテルにこの苦味とはどういう役割になるのか教えてください!
村上さん: そうですね、ウイスキーの味を調えるという意味で「苦味」を加えます。他に入れる甘いリキュールとの相性を合わせるためにバランスを取っているような感じです。
Dear WHISKY: なるほど。甘すぎない絶妙な大人の味はこの「苦味」に隠されていたんですね。
こちらのBAR FIVE Arrowsでは、「Dear WHISKYを見た」と伝えると、ウイスキーカクテルが1杯プレゼントになります!!
こだわりの「苦味」が入った大人の甘さのカクテル飲んでみたい方はぜひ西新宿にあるBAR FIVE Arrowsにお越しください!
BAR FIVE Arrowsの詳細はこちらから→BAR FIVE Arrows-Bar 紹介ページ
もちろん、ウイスキーカクテル以外にも魅力的なカクテルは沢山ございます! 村上さんが最も得意とする創作カクテルについて知りたい方はぜひ下記をご覧ください!
BAR FIVE Arrowsには季節のフルーツカクテル・香りに着眼したカクテルなど、綺麗なビジュアルのカクテルが豊富にあります。 こちらのカクテルは「柔み」が含まれているのが特徴です。また、このオリジナリティ溢れるカクテルはどのように考案しているのでしょうか?貴重なお話をたくさん教えていただきました!
Dear WHISKY: 以前こちらのDear WHISKYでBAR FIVE Arrows様の紹介ページを作成させて頂いた時に、季節のフルーツカクテルと香りに着眼した創作カクテルが得意とお伺いしたのですがこちらも代表作を教えて下さい!
村上さん: 今はやっぱり時期的には秋なので、和梨とオスマンサスという金木犀のシロップを使った「晩秋」というカクテルですかね。これは季節のフルーツを使用しただけでなく香りに着眼したカクテルでもあります。よく和梨とウォッカやジンを合わせてソーダで割るというようなものがありますが、和梨とオスマンサスという金木犀の香りを合わせるなどの花のフレーバーやその四季の味覚を取り入れるというような技術はとても得意としています。
こちらの“晩秋”は秋の味覚の中で旬のものを探しているうちにこの組み合わせを見つけたそうです。担当者は「和梨と金木犀」という日本の和が、組み合わせによってここまでオシャレになることにとても驚きました!また、BAR FIVE Arrowで「香り」というと、あるとても綺麗なカクテルが思い当たったのでそれについても聞いてきました。
Dear WHISKY: 実は以前こちらで「飲む香水」というカクテルを飲んだことがあるのですが、それも名前の通り村上さんが香りに着眼して作ったカクテルなのですか?
村上さん: そうですね。元々すみれの香りがするリキュールなので、そこに香水らしさを出すためにラベンダーと、縁に薔薇を散らすことによって香りを高めています。元々僕が好きなパルフェタムールという香水が参考になっています。
以前「飲む香水」を頂いた際に、その美しい見た目と本当に香水のような良い香りに圧倒されたのが忘れられません。カクテルで香水というのは見たことなかったため大変驚きましたが、癖がないのに、今まで飲んだことないような新鮮さも感じられて本当に大好きなカクテルのうちの1つです。「飲む香水」というと味や香りはもちろん、見た目もとても美しいカクテルです。この全てを兼ね備えたカクテルを作る村上さんですが、カクテルを作る際に最も重要視している点はどこなのでしょうか?もちろん、こちらも質問させていただきました!
Dear WHISKY: 見た目、香り、味と共に全て素敵なカクテルを考案されていますが、その中で最も重要視している点は何でしょうか?
村上さん: 1番は何と言っても「味」です。味を重要視しているバーテンダーは多いのですが、他のバーテンダーさんと異なる点は「水」を沢山使うことですかね。どちらかというと水っぽいという表現をするのですが、僕はある程度の「柔み」だと思っているので、味もお水が入っての味を想定して作っています。
Dear WHISKY: ありがとうございます。全て素敵ですが特に重要視していることは味なんですね。こちらの味を大切にしているためのお水ですが、何かこだわりの種類などあったりするのでしょうか?
村上さん: ずっと富士山麗水という富士山の氷が溶けたお水を使っています。富士山のお水は柔らかいお水なので、色々なカクテルに合わせやすいです。
また、村上さんは、味の次に「見た目」を大切にしているそうです。なるべく美しい見た目になるようカクテルを考案されているそうですが、それは引き算をして考えているそうです。色々なものをパフェのように沢山乗せてカクテルだけ綺麗に見せるのではなくて、カクテルを持った人が美しく見えるかどうか、カクテルがある空間が映えているかどうかを大切にしているとのことです。BAR FIVE Arrowsの美しい緑に囲まれた空間の中で映えるのは、村上さんがカクテルありきの空間を意識していたからなのだと実感しました。
Dear WHISKY: 味についても見た目のポイントをそれぞれお伺いしましたが、カクテルを作る際に最も難しかった点や苦労した点はありますでしょうか?
村上さん: そうですね、完全なオリジナルを生み出すことが非常に難しいですね。日本ないし世界中のバーテンダーさんや商品開発をする人がほとんど考え尽くしてしまっているんですよ。そのため、なるべく異色のものを組み合わせるように工夫していますが、今まで誰も挑戦したことのない組み合わせなので、失敗がほとんどです。また、異色の組み合わせを考えるだけでなく、既存のものを自分なりに解釈してアレンジしたりしています。
確かに、様々なアイデアで溢れている世の中で完全なオリジナルを見つけるというのはどの分野でも非常に難しいな、とお話を聞きながら身にしみて感じました。そのため、カクテルのアイデアの参考にするためにスーパーやコンビニスイーツにも目を向けているそうです。
Dear WHISKY: コンビニスイーツやスーパーにあるものがカクテルの参考になるんですか!? とても驚きなのですが、具体的にどのような点を見ているのでしょうか?
村上さん: 見た目も味も参考にできるものは全て参考にしています。特にスーパーですとその時の旬も分かりますし。チーズケーキやティラミスなどの味は、もちろんカクテルに起用しやすいですし、お酢とはちみつをカクテルに入れることやケチャップを隠し味に使うなども、スーパーのお惣菜コーナーから活用しました。見た目でいうとコンビニの白餅たい焼きを参考にしたこともあります。 白餅たい焼きってご存じですか?
Dear WHISKY: はい!見た目が白いたい焼きで、中にカスタードクリームが入っているものですよね!美味しくてとても大好きです!
村上さん: その白餅たい焼きの見た目の皮が透けて少し中身が見えるという綺麗さに感銘を受けたので、実際に求肥を使用して中身を透けさせるカクテルを作ってみたりしたこともあります!コンビニスイーツって斬新なアイデアが多いので、カクテルの見た目を美しくする際の勉強にとてもなります。
このように村上さんはスーパーやコンビニなどの日常に溢れるアイデアを全て観察してカクテルに取り入れているんですね。BAR FIVE Arrowsで提供される非日常を思わせる艶美で斬新なカクテルはこのような村上さんの日々の努力から来ていると深く感じました。
Dear WHISKY: 村上さんが思うカクテル作りで最も大切なことを教えてください!
村上さん: それは、いつまでも考える思考を止めないことです。先ほどもお話ししたように完全なオリジナルを作ることは時代を重ねるごとにとても難しくなっています。そのため、日頃生活をしているうえでカクテル作りのヒントになることは必ず取り逃さないようにしますし、常に様々なものから着想を得ています。
本日は、西新宿にあるBAR FIVE Arrowsの支配人である村上雄基さんにお話を伺いました。最後にお話して頂いた、オリジナル作成が難しい今日に、考える思考を止めないということは、とても深いですね。もはやこれはカクテル作りだけでなく、全てのことに共通して言及できる極めて肝要な考えなのではと思いました。
本日お話を伺ったBAR FIVE Arrowsでは緑と現代アートに囲まれた空間で彩りや香りが豊かなBFAスタイルの料理と創造性溢れるカクテルが頂けます。みなさんも西新宿に来た際はぜひBAR FIVE Arrowsに立ち寄ってみてください!
◆この記事からもっとBAR FIVE Arrowsを知りたいと思った方→BAR FIVE Arrows-Bar 紹介ページ
BAR FIVE Arrows 東京都 新宿区 西新宿1-13-1 今佐ビル6階
支配人/バーテンダー 村上雄基
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