2012年にスタートした『アードベッグ・デー』。世界同日に行われ、その年だけの限定アードベッグを味わうことができる為、アードベギャン(熱狂的なアードベッグファン)が毎年心待ちにしている1年に1度のイベントです。日本では、MHD モエ ヘネシー ディアジオの主催で2022年6月3日(金)、6月4日(土)、6月5日(日)の3日間、Q Plaza HARAJUKUにて『アードベッグ・デー 2022』が行われました。3年ぶりのリアルイベントとしての開催でチケットは即完売。気になっていた方も多いのではないでしょうか?
2022年のテーマはPUNKという事で、会場はロックテイスト全開!!『アードベッグ・デー 2022』特注のギターを持って撮影してもらえるフォトブースや、参加型のライブペインティング、『SpendyMily』によるライブ演奏など、全身でパンクムードを楽しめる仕掛けが。革ジャンでおめかししたショーティー君(マスコット犬)のいるオフィシャルショップには、争奪戦必死のオリジナルグラスやアードベッグ・デーTシャツが並びます。
そこにパンクロッカーに扮したボブさん(アンバサダーのロバート・ストックウェル氏)が登場。『アードベッグ アードコア』を片手に、スペシャルゲストの湘南乃風のRED RICEさんにテイスティングのコツを伝授する様子を、会場一同聞き入ります。グラスをクルクルと回すと、透明感のある柔らかいゴールドのウイスキーがグラスの側面をトロリと滴り落ちます。これは、ノンチルフィルターならではなんだとか。ノージングする際も、鼻だけでなく口でも呼吸すると香りが多く取れるというボブさんのアドバイスを早速試したRED RICEさんは、納得の様子。深煎りのコーヒーの様な香ばしさとピートのスモーキーさが鼻腔をくすぐります。
色と質感、香りを楽しんだところで「スランジバー!」(ゲール語であなたの健康を願って)で乾杯。香ばしいトーストの風味が、ピートのスモーキーさに厚みを与えています。これは20ppmのモルトをベースとし、ブラックモルト(220℃以上の超高温で焦げるまで焙煎した麦芽で、黒ビールの原料の一部に使われている)をアクセントに使っているからだそう。会場ではモルトのサンプルも試食でき、ピートタイプには泥炭由来の複雑なスモーキーさと甘味、ブラックモルトからは焙煎して苦みの加わったナッツの味がしました。ドライなスパイシーさは、50ppm位かと感じるほどパンチのある味。昨年の『アードベッグ スコーチ』がヘビーチャー由来のウッディなスモーキーさだとしたら、今年は焙煎したコーヒーやこんがりしたトースト由来の香ばしさとピートのハーモニーが印象的でした。ブラックモルトを使用したウイスキーは初めて飲みましたが、とても美味しく、ピートの数値以外の楽しみを教えてくれる1本でした。
※以下、オフィシャル情報です
極限まで強く焙煎したブラックモルトを使うことにより、今までになくスモーキーで尖がった印象のアードベッグが誕生しました。ダークチョコレートやブリトルトフィーの中から、テンション高めのアニスや炭が前面に現れてくる、味蕾を強く刺激する“パンク”なインパクト。ハードコアなアードベッグ上級者に贈ります。
テイスティングノート
色合い:透明感のある淡いゴールド
香り:発酵食品や酵母、焦がしたトースト、石炭、チコリコーヒーの出しがらなどのスパイシーで芳醇なアロマ。 渦巻くような焚火や糖蜜の香りの背後からアードベッグ独特のフェンネルなどのハーブ香が感じられる。
味わい:驚くほどスパイシーで燃えるようなアタックから、ココアパウダー、ダークチョコレート、ピーナッツブリトル、燻製したライムのリッチでパワフルなフレーバーへと広がっていく。煤や焚火の燃え殻のニュアンス。
余韻:リコリスやアニスの豊かな風味と大麦やビスケットの甘味が、糖蜜のトフィーの長い余韻へとつながっていく。
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