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スコッチウイスキー『タリスカー』の種類とおすすめの飲み方をご紹介

2021.07.29 / 最終更新日:2022.12.13

タリスカーはスコットランドのアイランズ地域の自然豊かなスカイ島で製造されたシングルモルトウイスキーです。

スコッチウイスキー特有のスモーキーな香りにスパイシーな味わいが特徴ですが、フルーティーな酸味も共存したバランスのいい味わいが評価されています。

1830年から始まったタリスカーはKing of Drinks(お酒の王)と呼ばれており、世界中の愛好家から愛されてきました。

本記事ではタリスカーの種類と製法と歴史について解説し、おすすめの飲み方も紹介します。

この記事のポイント

  • アイランズ・モルト「タリスカー」の種類を紹介
  • タリスカーの製法と歴史、おすすめの飲み方を解説

スコッチウイスキーのタリスカーとは?

タリスカーはゲール語で傾いた斜面の大岩という意味です。

創設者であるマカスキル兄弟が滞在していたタリスカー・ハウスが名前の由来といわれています。

スコッチウイスキーのタリスカーの概要と特徴について解説していきます。

スカイ島で製造されるアイランズ・モルト

上の写真はタリスカーが生まれたスカイ島の自然豊かな風景です。

ウイスキーの生産地は地域によって6つのエリアに分類されており、タリスカーはアイランズに属するのでアイランズ・モルトと呼ばれます。

アイランズ地域にはスカイ島以外にも、ジュラ島、アラン島、ルイス島、オークニー諸島があります。

スカイ島はスコットランドのインナー・ヘブリディーズ諸島で最も北に位置する島であり、スペルは空の「Sky」ではなく「Skye」とつづられており翼を意味します。

翼の島と呼ばれるこの島はウイスキーの製造地としても知られており、タリスカーは代表的なウイスキーです。

タリスカーのボトルには「MADE BY THE SEA」と書かれており、タリスカーの香りには海を感じさせるような潮の香りがあります。

ウイスキー作りは産地の自然環境に大きく左右されるので、スカイ島の自然はタリスカーを形作る重要な要素といえます。

スモーキーな香りとスパイシーな味わいが特徴

タリスカーはスコッチウイスキー特有のスモーキーな香りと海を思わせるような潮の香りが合わさり、力強い印象のシングルモルトと評されます。

味わいは黒コショウの効いたスパイシーな風味と塩辛い味に、青りんごのようなフルーティーな甘みと酸味が合わさりバランスのいい味わいに仕上がっています。

全体的に力強い印象であるため、その表現として口の中で爆発するような味わいといわれてきました。

ウイスキーの製造には産地の自然環境が大きく影響するといいましたが、タリスカーはスカイ島をかこんでいる海の荒々しさをそのまま感じられるような風味となっています。

スカイ島の自然風景を思い浮かべながら飲むと、よりタリスカーを楽しめるでしょう

Bar FIVE Arrows 村上さん
Bar FIVE Arrows 村上さん
タリスカーはウイスキーの「入門」だと思っています。
スカイ島という島で作られているためアイラウイスキーではないのですが、アイラウイスキーを飲んだことがない人には、いきなりボウモアを勧めるのではなく、まずはタリスカーをソーダ割りで飲んでもらうことをおススメしたいです。
アイラの雰囲気もスモーキーさから少し感じられて、ソーダ割りにすると非常に旨味を感じるウイスキーのため、アイラではありませんが、アイラの入門のようなウイスキーだと思っています。

タリスカーの種類

タリスカーにはさまざまな種類がありますので、それぞれ解説します。

タリスカー 10年

タリスカーの中でも最もスタンダードになる銘柄が、10年以上の熟成期間の原酒を使用したタリスカー 10年です。

タリスカー特有のスモーキーな香りとスパイシーな風味に加えて、塩キャラメルのような重厚な甘みが楽しめます。

最も入手しやすいタリスカーであるため、初めて飲むならこちらの銘柄の購入がおすすめです

タリスカー 18年

18年以上熟成させたバーボン樽シェリー樽の原酒を混ぜ合わせた銘柄です。

ウイスキー業界でも権威のあるウイスキー品評会のワールド・ウイスキー・アワードで、初代グランプリを受賞した評価の高いウイスキーになります。

オレンジピールドライマンゴーの香りと共に最初は甘みが強い味わいですが、後からタリスカー特有のスパイシーさが楽しめるウイスキーとなっています。

タリスカー 25年

アメリカンオークのバーボン樽で25年以上熟成させており、1万樽に1本といわれるほど希少な原酒を使用したウイスキーになります。

以前はアルコール度数が高いカスクストレングスとして限定販売されていましたが、定期的にリリースするようになってからはアルコール度数が抑えられています。

長期熟成によって生まれる甘みの中にスパイシーな味が隠れており、複雑で深みのある味わいに仕上がっているのが特徴です。

タリスカー 30年

現行で販売されている商品の中で最も熟成期間が長い商品が、30年以上の熟成期間を経たタリスカーになります。

限定品ではありませんが、生産量が少ないので希少価値の高い1本です。

タリスカーは熟成期間が長いほど特有のスパイシーさは弱まり、優しい口当たりに甘みと塩気が広がるバランスが良く完成度の高いウイスキーとなっています

タリスカー ストーム

ストームは嵐を表し、スカイ島にやってくる嵐を象徴したウイスキーです。

タリスカー特有のスモーキーさとスパイシーさをより強調した荒々しい味わいとなっています。

しかし、荒々しさの中にハチミツのような甘みも感じられる複雑な味わいであり、タリスカー 10年よりも刺激的な銘柄に挑戦したい方におすすめです

タリスカー ポートリー

スカイ島で最大の町であるポートリーの名前が付けられているのが、タリスカー ポートリーです。

バーボン樽による3年の熟成に加えて、ポートワイン樽による追加熟成を経ています。

タリスカー特有のスモーキーさが抑えられ、代わりにレーズン焼きリンゴのような甘みとスパイシーな味わいを感じられる銘柄です。

タリスカー ネイストポイント

ポートリーと同様にスカイ島のスポットから名付けられた銘柄であり、こちらはスカイ島のネイストポイント灯台が由来となっています。

こちらはコショウ由来のスパイシーさが抑えられていますが、スモーキーな香りは健在です。

滑らかな口当たりにドライフルーツのようなフルーティーな甘みが感じられ、イチジク、カシス、ベリーなど甘みが複雑に絡み合う完成度の高いウイスキーになります。

タリスカー 57°ノース

タリスカー蒸留所が北緯57度に位置することから、アルコール度数も57度に合わせたウイスキーになります。

当初は限定販売でしたが、高い評価を受けたため世界に販売されるようになりました。

ブラックペッパーショウガによる力強いスパイシーさはタリスカーの中でも刺激の強い味わいです。

タリスカー スカイ

タリスカースカイは2015年に発売された商品であり、2つのアメリカンオーク樽の原酒を使用して作られています。

タリスカー特有のスパイシーさに加えて、ハチミツバニラの甘みを感じられます。

熟成期間が若い原酒を使用しているので、安価で購入しやすいのが特徴です。

タリスカー 41年

41年以上の長期熟成によって製造されたタリスカー 41年は全世界で2,000本しか販売されていない希少な銘柄です。

タリスカー 40年の次に販売されたのがタリスカー 41年であり、多くのウイスキー愛好家から2つのボトルは注目されました。

定価は36万円ですがプレミア価値が付くと考えられるので、今から入手するのであればより高い価格を求められることが予想されます

タリスカーの歴史は1830年から始まる

タリスカーの歴史について年表に形式にしてまとめました。

年度 内容
1830年 マカスキル兄弟によってタリスカー蒸留所が設立
1843年 資金繰りのためにジャック・ウエストランドに蒸留所を売却
1928年 伝統的な製法であった3回の蒸留が2回に変更される
1960年 火事によりスチルハウスが焼失し、1962年に再建

1830年にマカスキル兄弟によってタリスカー蒸留所が設立されますが、その13年後にはじゃがいも飢饉などの影響もあり、資金繰りに行き詰まった結果、北スコットランド銀行のマネジャーであるジャック・ウエストランドに蒸留所を売却します。

しかし、1843年以降もタリスカー蒸留所はさまざまな持ち主から売却され、たらい回しにされました。現在の体制に落ち着いたのは1920年代頃です。

1928年には伝統的な製法である3回の蒸留をモルトの風味を最大限に活かすために2回に変更します。

1960年にはタリスカー蒸留所が火災の被害に遭い、スチルハウスが焼失してしまいますが、当時のスタッフが再興に向けて努力を重ねたことにより1962年には再建され、復活することとなりました。

タリスカー蒸留所の道のりはけっして順風満帆とはいえませんが、荒波のような困難を乗り越え、柔軟に製造方法を考えてきたからこそ、現在に至るまでタリスカーは愛好家に愛され続けてきたのです

タリスカーは特殊なウォッシュバックを利用して発酵される

タリスカーの製造における特徴は、オレゴン松によって作られた特殊なウォッシュバックによる発酵が挙げられます。

ウイスキーの発酵に使用されるウォッシュバックはステンレス製のものを使用している蒸留所が多いですが、タリスカーでは特有の香りや味わいを付加するために木材を使用しています。

ウォッシュバックの容量は55,000リットルであり、スカイ島の自然が生み出す水源を利用しているのが特徴です。

ウイスキーは発酵することによって香味成分が作られるため、タリスカー特有の香りや味わいは発酵の過程が重要であるといえるでしょう。

発酵後は2回の蒸留をおこないますが、2回の蒸留に代わったのは1928年以降です。

その後は主にアメリカンオーク製の樽で熟成されますが、銘柄によってはシェリー樽やポートワイン樽によって熟成されることもあります

タリスカーのおすすめの飲み方は黒コショウをふったハイボール

タリスカーの代表的な飲み方には「タリスカー・スパイシー・ハイボール」があります。

こちらの飲み方はタリスカーを炭酸水で割った上で、黒コショウを振ることでタリスカーのスパイシーさをさらに高める飲み方です。加えてお好みでレモンも絞ると酸味のある味わいになりますよ。

ハイボールで割ることでタリスカーのスパイシーさが際立つ上に飲みやすくなるので、タリスカー・スパイシー・ハイボールは男女を問わずさまざな愛好家から愛される飲み方となっています。

タリスカーのスパイシーさはさまざまな料理やつまみの味わいを引き立てますが、中でも肉料理魚料理と合わせると相性が良いです。

ビーフステーキスモークサーモンの食中酒にもなり、お互いの味を引き立てるだけでなく脂をさっぱりさせる効果もあります。

ウイスキーの本来の味わいを楽しむならストレートで飲むのが理想ですが、タリスカーを飲むならタリスカー・スパイシー・ハイボールは試したいところです

ウイスキーの飲み方について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

ウイスキーのおすすめの飲み方はこちら!さらにウイスキーを楽しもう!

Bar FIVE Arrows 村上さん
Bar FIVE Arrows 村上さん
やはり、胡椒をかけて飲むことは僕もおススメです。
少し変わった飲み方ではありますが、簡単に言うと豚肉のソテーに胡椒を振ってあげると美味しい、ということと同じです。
元々旨味があるものなので、少しスパイスが加わるとより美味しくなります。
そのため、胡椒以外にも、山椒や唐辛子とも相性が良いですね。
よく、テキーラもスパイスを入れて飲むことがあるので、どこかテキーラのような使われ方をする特徴的なウイスキーだと思います。

まとめ

タリスカーはスカイ島の自然が育んだスモーキーさとスパイシーな味わいを合わせ持つウイスキーです。

アイランド・モルトの中でも代表的なウイスキーの1つであるため、アイランド・モルトを初めて飲むならタリスカーから購入してみてはいかがでしょうか?

コショウの効いたスパイシーなウイスキーに魅力を感じるなら、タリスカーはおすすめのウイスキーになります。

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