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ストレートで美味しいウイスキーの条件とは?おすすめの銘柄4選

2021.09.29 / 最終更新日:2022.12.07

「ウイスキーを味わうならストレートで」といわれたことはありませんか。実際は水割りやソーダ割りで飲む人が圧倒的多数にも関わらず、「まずはストレートで」という言葉がネット上にも数多く見られます。それは、ストレートで味わうことでウイスキーの持ち味がダイレクトに感じられるからです。

しかし、いくら意味があっても、美味しくなければウイスキーを嫌いになってしまうかもしれません。この記事では、ストレートで美味しいウイスキーについて解説します。

この記事のポイント

  • ストレートの特徴について解説
  • ストレートで飲むと美味しい銘柄を紹介

ストレートという飲み方の特徴は?

ウイスキーをストレートで飲むのは、単に格好がよいからではありません。ウイスキーそのものの色、グラスから立ち上るウイスキーの香り、口に含んだときの口当たり、鼻から抜ける風味、余韻など、ウイスキーの持ち味が直接感じられる飲み方だからです。

お酒のコンペティションなどのブラインドテイスティングでも、少量をグラスに注いでストレートで味わいます。ストレートという飲み方は、ウイスキーを味覚だけでなく、視覚や嗅覚でも楽しめる飲み方です。ウイスキーそのものが持っている個性を余すことなく楽しめるため、ストレートで飲むことにこだわる人もいるわけです。

ウイスキーをストレートで飲むと、感覚を邪魔するものが何もない分だましが効きません。美味しいか美味しくないか判断しやすいのです。もちろん、美味しいと感じるか美味しくないと感じるかは個人の好みにもよります。

しかし、ウイスキー自体にこれといった持ち味がなければ、物足りなく感じることは間違いありません。それぞれのウイスキーの持ち味をしっかり感じるための飲み方がストレートなのです

とはいえ、普段ウイスキーを飲みなれていない人にとって、ストレートはハードルが高い飲み方かもしれません。ウイスキーはアルコール度数の低いものでも40度前後あります。香りや味わいにクセのあるものも多いので、いきなりストレートで味わうと飲みづらいと感じる可能性があります

しかし、ウイスキーにはクセの強い銘柄がある一方で、繊細な香りや味わいを楽しむ銘柄もあります。きちんと銘柄を選べば、初心者でもストレートで楽しむことができるでしょう。

正しいストレートの飲み方とは?

ウイスキーの味わい方はいろいろありますが、中でももっともアルコール度数が高いのがストレートです。氷も入れずに飲むので、時間が経っても薄まることがありません。

ハイボールのアルコール度数は7~8度、濃く作っても10度前後です。水割りも10度くらいなので、ストレートの40度以上というのはずば抜けて高いことになります。銘柄によっては、50度以上のものもあるので、一度に大量に飲むのは危険です

ストレートで飲むときは、テイスティンググラスなど小さめで香りがよくわかるグラスを用意し、常温のウイスキーを15~30ml注ぎ入れます。ウイスキーの香りは揮発性の成分です。常温がもっとも香りが立ちやすいので、常温のウイスキーを冷やしていないグラスに注ぐようにします。

15mlというと料理に使う大さじ1杯と同じなので、1回あたりに注ぐのはわずかな量です。アルコール度数の高いお酒を一気に大量に飲まないよう少なくしているだけではありません。少量だと軽くグラスを回すだけで空気に触れ、香りが立ちやすいからです。

グラスに注いでも、直ぐに口を付けてはいけません。まずは香りを楽しみます。手の熱でウイスキーの温度が変化しないように、グラスの底の方を持ちながら5cmくらいの距離まで近づけて香りをかいでみましょう。

テイスティンググラスだと、香りを感じやすいうえに、脚つきで手の熱が伝わりにくいので、香りを楽しむときにとても便利です。軽くスワリングして中身を空気に触れさせるようにすると、より香りが立ちやすくなります。ちなみに、スワリングとは、グラスを揺らして中身のウイスキーを回すことです。

香りを楽しんだら、次に味を確かめます。ほんの少しだけ口に含み、軽く舌の上で転がしてみましょう。舌触り、口当たりを確認したら、飲み込直前に鼻から息を吐くようにして再度香りを楽しみます。

ウイスキーを飲み込んだら、今度は口の中に残っている余韻を楽しみましょう。水割りにしたりハイボールにしたりすると余韻がわかりにくくなります。ストレートならではの味わいになるのでしっかり楽しんでおきましょう

なお、ストレートで飲む際には、チェイサーを用意することが大事なポイントです。チェイサーとは、アルコール度数の高いお酒を飲むときに、合間に飲む飲み物のことです。ウイスキーはアルコール度数が高いので、少量ずつでも続けて飲むと酔いが回りやすいうえに香りや味がわかりにくくなっていきます

チェイサーと交互に飲むことによって、口の中がクリアになり、香りや味を感じやすくなるので、ストレートを飲むときには必要なのです。

チェイサーは水でなければならないわけではなく、炭酸水、お茶、牛乳など何でも構いません。アルコール度数が低い別のお酒をチェイサーにすることもあります。しかし、ウイスキーの持ち味をしっかり感じるためなら、チェイサーは水を選ぶのがおすすめです

水と交互に飲むことによって、鈍くなりかけていた感覚が目覚め、何度でも繊細な香りや味わいを感じ取ることができます。悪酔いも防げるので一石二鳥です。

ストレートで美味しいウイスキーの特徴とは?

どのようなウイスキーでもストレートで飲めないことはありません。しかし、せっかくストレートで飲むなら、ストレートで飲んでこそ美味しく飲める銘柄を選びたいところです。

ストレートという飲み方の特徴を今一度思い起してみると、香りを感じ、色を確かめ、舌の上で口当たりと味わいを確認した後、鼻から抜ける香りを再度楽しみ、最後に余韻を感じるという流れになります。ですから、美味しく感じるポイントは、香り、色、口当たり、味わい、余韻の5つです。

どの銘柄を選んでも、色については問題ないでしょう。濃いか薄いか、赤みがかっているか金色に近い色をしているかといった違いがあるだけで、色がないということはありません。目で見て色を楽しめばよいので、どの銘柄でもクリアできます。

問題となるのは香り、口当たり、味わい、余韻の4つです。香りが薄いものや余韻がほとんど感じられないものは、ストレートでは楽しめません。正しい手順で味わってみても、香りがせず、余韻もないというのでは、物足りなさを感じるでしょう。

なお、香りや味わいは人によって好き嫌いがあるので、ある人は美味しいと感じるのに、別の人は美味しくないと感じるということなど当たり前のようにあります。とくにウイスキーの場合、クセが強いものに関しては好き嫌いがはっきり分かれるので、そこは一度自分で味わって好みか好みでないかを判断することが大事です

その点を踏まえたうえで、ストレートで美味しいウイスキーの特徴を挙げると、心地よい香り、複雑で深い味わい、適度な長さの余韻がきちんと感じられる銘柄であることということになります。

ストレートで美味しいウイスキーの銘柄4選

ストレートで美味しいウイスキーの特徴を踏まえたうえで、その特徴に当てはまるウイスキーを5つ紹介します。先にも述べましたが、美味しいと感じるかどうかは人によるので、実際に美味しいと感じるかどうかは自分で飲んで判断することが大事です。

ここではストレートで飲んだときに、美味しいと感じられる条件を満たしているウイスキーを紹介します。

ザ・マッカラン

ロンドンの高級百貨店ハロッズが本の中で「シングルモルトのロールスロイス」と絶賛したことでも知られるスコッチウイスキーです。熟成にシェリー樽を使っています。実は、その樽も原木から選び抜いて自社でつくっているというこだわりようで、上品かつ華やかな香りと口当たりのまろやかさ、甘くほのかにスパイシーな余韻が魅力です。ストレートで味わうなら、12年以上熟成させたものがおすすめです。

マッカランについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

ザ・マッカランは種類豊富なウイスキー!味とおすすめの飲み方は?

グレングラント

スペサイドで生産されるスコッチウイスキーでありながら、イタリア人から絶大な支持を得ているウイスキーがグレングラントです。グレングラントの特徴は、蒸留所のすぐ裏を流れるグレングラント川の水に由来します。ブラックバーンと呼ばれるほど黒い水が仕込み水に使われているというと、不安に感じるかもしれません。

この水は、その地のピート層を通過したときに着いた色です。また、特徴的な形のポットスチルも、グレングラントのフルーティーで軽やかな香りと味わいに影響を与えています。イタリアで好まれているのは軽めの5年物ですが、ストレートで飲むなら10年以上熟成させたものがおすすめです

ラフロイグ

ラフロイグは好き嫌いが二分しやすいアイラモルトの中でも、特に強烈な個性を持ったウイスキーです。正露丸にたとえられるほどのヨード香と、ピート由来のスモーキーフレーバーはかなり強く、普段ウイスキーを飲みなれている人でも苦手に感じる人が少なくありません

口に含めばオイリーな味わい、潮っぽい余韻。不思議な味だという感想だけで終わってしまう可能性はあります。ところが、二口、三口と飲み進んでいくと、他では味わえない個性が魅力に感じられるようになるのです。一旦惚れ込んだ人はとことん惚れ込みます。英王室のチャールズ皇太子もその一人で、王室御用達になりました。

ピーティーかつスモーキーなウイスキーですが、単に煙たいだけではありません。熟成に使われているバーボン樽由来のコクのあるバニラや甘酸っぱいフルーツの風味、余韻で感じられるかすかな渋みなど、複雑な味わいがバランスよく含まれています。

最初は気付きにくいものの、しっかり味わっていけばさまざまな魅力に気付けるという意味で、ストレートで味わうと美味しいウイスキーなのです。10年物と18年物どちらもストレートで味わうと完成度の高さを感じます。

ラフロイグについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

アイラウイスキーのラフロイグとは? 種類や風味の特徴を解説!

ジャパニーズウイスキーの中から、特にストレートで飲むと美味しいものを選ぶとしたら、サントリーのブレンデッドウイスキー響です。香りや味わいをダイレクトに感じるストレートは、慣れるまで飲みにくいと感じるものが多いのですが、響は違います。

繊細な風味を味わう和食とも一緒に楽しめるようにつくられているだけあって、主張が穏やかです。しかし、じっくり飲んでいくと幾重にも重なって感じられる香り風味。後味もしっかりしています。薄めたりせずに、じっくり時間をかけて少しずつ味わってほしいウイスキーです。

ストレートで飲むというと、強い個性を正面から受け止めるというイメージを持つ人が多いかもしれません。しかし、響の場合は、複雑に重なり合って現れる味や香りを確かめるために、少量ずつ味わえるストレートがよいのです。エイジドの12年物、18年物はもちろん、ノンエイジのJAPANESE HARMONYもストレートが合います

響について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

響はブレンデッドウイスキーの最高峰!種類や味とおいしい飲み方は?

ストレートで美味しいウイスキーにはこだわりがある

ストレートはウイスキーの持ち味が直接感じられる飲み方です。ウイスキーの持ち味を正面から突き付けられて、それを美味しいと感じるのは、飲む人が美味しいと感じるものをつくるという作り手のこだわりが表れているからでしょう。

クセの強さと繊細な味わい、両極端に感じられますが、実はどちらも作りてが美味しさを突き詰めた結果生まれたものだといえます。こだわりのおいしさをしっかり味わいましょう。

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