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ブレンデッドウイスキーとは?おすすめの銘柄と飲み方を解説

2021.08.21 / 最終更新日:2022.05.10

ウイスキーのブレンディングとは異なる種類のウイスキーの原酒を混ぜることを指し、ブレンディングによって製造されたウイスキーのことをブレンデッドウイスキーと呼びます。

類似した言葉にはヴァッティングがあり、こちらは同じ種類の原酒を混ぜることです。

ブレンデッドウイスキーは現行で販売されているウイスキーの多くが分類される種類であり、多くのウイスキーがブレンディングによって製造されている理由となる魅力も存在します。

この記事ではブレンデッドウイスキーの魅力を解説し、代表的な銘柄やおすすめの飲み方も紹介します。

この記事のポイント

  • ウイスキーの主流であるブレンデッドウイスキーの魅力を解説
  • 代表的な銘柄やおすすめの飲み方も紹介

ブレンデッドウイスキーとは


ブレンデッドウイスキーは主にシングルモルトウイスキーグレーンウイスキーの2つの異なる原酒を混ぜて製造されたウイスキーのことを指します。

複数のモルト原酒とグレーン原酒をブレンドすることによって味のバランスを取り、より飲みやすいウイスキーに仕上げます。

また、上記の説明はスコッチウイスキーにおけるブレンデッドウイスキーですが、アメリカンウイスキーの場合はウイスキーにスピリッツをブレンドしたものをブレンデッドウイスキーと呼ぶことも

この記事ではスコッチウイスキーにおけるブレンデッドウイスキーについて解説します。まずは、ブレンデッドウイスキーの基となるシングルモルトとグレーンウイスキーの特徴を見ていきましょう。

シングルモルトについて

モルトウイスキーは大麦を原料にした個性が強く、愛好家から親しまれ続けているウイスキーです。

シングルモルトは1つの蒸留所で製造されたモルト原酒のみをヴァッティングしたウイスキーを指します。

蒸留方法は単式蒸溜機で2度蒸留する手間がかかりやすい方法であり、そのこだわりのある製法から多くのウイスキーファンを今日も虜にしているウイスキーの種類の1つです。

ただし、クセが強いため銘柄によっては好き嫌いも別れるので、初心者にはハードルが高いウイスキーになります

モルトウイスキーについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

ウイスキーのモルトとは?モルトウイスキーの種類と飲み方を紹介!

グレーンウイスキーについて

グレーンウイスキーはトウモロコシなどの穀類を原料にしたウイスキーであり、クセが少なく飲みやすいウイスキーです。

ブレンデッドウイスキーの原酒として利用されるのが一般的であり、グレーンウイスキー単体で販売されることが少ないウイスキーになります。

そのため、シングルモルトの反対にシングルグレーンという言葉は存在するものの、一般的なウイスキー用語ではありません。蒸留方法は効率を重視しした連続式蒸溜機です。

クセが少なく飲みやすいためウイスキー初心者がにもおすすめできるウイスキーですが、ウイスキー特有の個性が弱く単調であるため、個性の強いウイスキーが好きな愛好家からは評価が低い傾向にあります。

グレーンウイスキーについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

グレーンウイスキーとは? 製造方法や飲み方、おすすめの種類について

ブレンデッドウイスキーの魅力


ブレンデッドウイスキーの魅力は3つあります。

  • 原酒のそれぞれの欠点を補っている
  • 安い価格で生産しやすい
  • さまざまな種類がある

それぞれ詳しく解説します。

原酒のそれぞれの欠点を補っている

モルトウイスキーとグレーンウイスキーについてそれぞれ解説しましたが、モルト原酒はクセが強く、グレーン原酒は個性がなく単調である欠点がありました。

ブレンデッドウイスキーはそれぞれの欠点を補うことで、飲みやすく複雑な味わいにしています。

素材となる原酒のそれぞれの欠点を補うブレンドにすることで、より完成度の高いウイスキーに仕上がることがブレンデッドウイスキーの魅力といえるでしょう

安い価格で生産しやすい

複数の蒸留所で異なる種類の原酒を用意してブレンドして生産する方法は大量生産がしやすく、低コストで実現可能です。

そのため、ブレンデッドウイスキーはシングルモルトと比較すると価格が安い傾向にあります。

同じ蒸留所のモルト原酒のみを使用して製造するのは原酒に限りがあるので大量生産が難しいですが、ブレンデッドウイスキーは生産しやすいため安価で購入できる点も含めて初心者向けです

さまざまな種類がある

ブレンデッドウイスキーは銘柄の種類が非常に多く、さまざまな種類から選択可能です。

また、世界5大ウイスキーのモルト原酒とグレーン原酒をブレンドしたワールドブレンデッドと呼ばれるウイスキーもあります。

世界5大ウイスキーとはスコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズの5種類のウイスキーのことです。

この他にも個性的なブレンデッドウイスキーも存在しているので、銘柄の選択肢の幅が広いです

世界5大ウイスキーの違いについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

ウイスキーの違いとは?世界5大ウイスキーを飲み比べてみよう!

ブレンデッドウイスキーのモルト比率とグレーン比率

一般的なブレンデッドウイスキーにおけるモルト原酒の比率とグレーン原酒の比率はいくらでしょうか?

モルト比率は約20~30%程度で、グレーン比率が約70~80%程度になります。

プレミアム商品や、熟成年数の長いブレンデッドウイスキーの場合はモルト比率が40%を超えることもありますが、基本的にはグレーンウイスキーの比率のほうが大きいです。

モルト原酒のほうが個性が強く、グレーン原酒はクセが弱いため、実際に飲んだ時に特徴を感じやすいのはモルト原酒になります。しかし、グレーンウイスキーはブレンデッドウイスキーを製造する際になくてはならない存在です

モルト原酒は少ない割合で複数の原酒が混ざり合いますが、グレーンウイスキーを高い割合でブレンドすることでモルト原酒のそれぞれの個性をぶつかり合わせることなく原酒本来の風味を引き出します。

ブレンデッドウイスキーにおける主役はグレーンウイスキーとも考えられるほど、比率が多く重要な役割を果たしているのです。

ブレンデッドウイスキーの歴史

年度 出来事
1725年 スコットランドで麦芽への課税を開始
1831年 連続式蒸留機の開発
1853年 ブレンデッドウイスキーが初めて販売される

ブレンデッドウイスキーの歴史を語るためには、グレーンウイスキーの歴史から振り返る必要があります。

1725年にスコットランドで麦芽への関税が強まったため、モルトウイスキーは密造の時代を迎えました。

しかし、麦芽への関税から逃れる対策として大麦を使用しない穀類を原料にしたウイスキーであるグレーンウイスキーが誕生します。

1831年に連続式蒸留機が開発され、現在の効率を追求したグレーンウイスキーの製造方法が確立されました。

しかし、グレーンウイスキーはモルトウイスキーと比較して、ウイスキー特有の個性が弱いためウイスキーとして認めないという声も当時はあったようです。

そこで、グレーンウイスキーとモルトウイスキーを混ぜることが注目され、1853年にアンドリュー・アッシャー二世がブレンデッドウイスキーを初めて販売します。

ブレンデッドウイスキーは多くのウイスキーファンから注目を集め、グレーンウイスキーもブレンデッドウイスキーの原酒として認められるようになりました

ブレンデッドウイスキーは誕生の経緯からもグレーンウイスキーと結びつきが強いウイスキーであることが分かります。

代表的なブレンデッドウイスキーの銘柄

ブレンデッドウイスキーの代表的な銘柄を6つ紹介します。

  • ジョニーウォーカー
  • バランタイン ファイネスト
  • カティサーク プロヒビション
  • 碧州
  • イチローズ・モルト ワールド・ブレンデッド・ウイスキー

ジョニーウォーカー

ジョニーウォーカーはスコットランドのキルマーノックで発祥した世界的に有名なブレンデッドウイスキーです。

Red Labelは「ジョニ赤」Black Labelは「ジョニ黒」と略されるなど、ウイスキー愛好家からも親しまれている銘柄になります。

ジョニーウォーカーには赤と黒以外にもさまざまな種類がありますが、最も世界で販売されており、入手しやすい銘柄はRed Labelです。

Red Labelはスコッチウイスキー特有のスモーキーな香りに、スパイシーな味わいの中にほのかにハチミツのような甘さを感じられます。

近くのスーパーマーケットやコンビニエンスストアでも売られているほど有名で低価格な銘柄であるため、初心者が気軽に楽しむウイスキーに適しています
ジョニーウォーカーとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

バランタイン ファイネスト

1827年にジョージ・バランタインによって創業されたバランタイン蒸留所では、バランタイン ファイネストと呼ばれる40種類のモルト原酒をブレンドしたブレンデッドウイスキーを販売しています。

ISC21(インターナショナル スピリッツ チャレンジ2021)では金賞を受賞しており、実績のあるウイスキーです。

バニラハチミツを思わせるような甘い香りに、豊かでなめらかな味わいが特徴になります。

スコッチウイスキー特有のクセのあるスモーキーな香りはなく、初心者でも飲みやすいウイスキーです

カティサーク プロヒビション

カティサークはラベルにも描かれているイギリスの快速帆船「カティサーク号」が名前の由来となっているブレンデッドウイスキーです。

上記の写真のウイスキーは禁酒法(プロヒビション)の廃止から80年目を記念して製造された銘柄になります。

シトラスの香りにキャラメルを舌先に感じるスパイシーなアルコール度数50%を超える力強い味わいが特徴です。

村上春樹の小説でも多く登場するカティサークは文学好きであれば、親しみのあるウイスキーになります

響はサントリーが販売する日本のブレンデッドウイスキーです。

バランタイン ファイネストと同様にISC21で金賞を受賞したジャパニーズウイスキーになります。

ローズの香りにハチミツの甘さとオレンジピールチョコレートの風味に繊細で優しい味わいが特徴です。

ブレンデッドウイスキーはスコットランドだけでなく日本でも製造されます。

碧州

碧州は愛知県の酒類メーカー相生ユニビオから販売されているブレンデッドウイスキーになります。

昭和30年代からウイスキーを販売している老舗のメーカーであり、2018年4月に新たに販売されたのが碧州です。

カナディアンウイスキーをベースにスコッチモルトとアイラモルトを相生ユニビオ碧南蒸留所で独自にブレンドした多国籍のブレンデッドウイスキーになります。

バニラのような甘い香りにスパイシーさを感じますが、クセがなく飲みやすいのが特徴です。
碧州とは?種類や味わい、おすすめの飲み方

イチローズ・モルト ワールド・ブレンデッド・ウイスキー

正式名称は「イチローズ・モルト&グレーン・リミテッドエディション・ワールド ブレンデッド ウイスキー」です。秩父蒸留所で製造されたイチローズモルトのワールドブレンデッドになります。

世界初のワールドブレンデッドウイスキーであり、日本でも人気のイチローズモルトの原酒に世界五大ウイスキーの原酒をブレンドしています。

ウッディーな香りに酸味のある柑橘系のアロマがが特徴で、麦のクリーミーな甘さに複数のスパイスが感じられる複雑な味わいです。

イチローズモルトについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

秩父で生まれたウイスキー『イチローズモルト』とは?製法や種類をご紹介

ブレンデッドウイスキーのおすすめの飲み方

ブレンデッドウイスキーはモルト原酒のクセが緩和されており、飲みやすいウイスキーが多いので、ウイスキー本来の味わいを楽しめるストレートがおすすめです。

ただし、ストレートで飲む場合はチェイサーを用意して飲みましょう。チェイサーは一般的には水のことを指し、交互に飲むことで口の中をリフレッシュする効果が期待できます

ウイスキーはアルコール度数の強いお酒ですが、水割りやハイボールで飲むことでアルコール度数を下げられます。アルコールに弱い方は、アルコール度数を下げる飲み方を試してみましょう。

ウイスキーの飲み方について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

ウイスキーのおすすめの飲み方はこちら!さらにウイスキーを楽しもう!

まとめ

ブレンデッドウイスキーはモルトウイスキーとグレーンウイスキーの欠点を補った上で、低価格化にも成功しているためコスパの良い商品になります。

特にジョニ―ウォーカーはコンビニエンスストアでも販売されているウイスキーであるため、初めてウイスキーを飲むならブレンデッドウイスキーに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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