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ウイスキーは健康に悪いのか?1日の適量や負担をかけない飲み方とは

2021.08.30 / 最終更新日:2021.08.30

お酒は好きだけど、どうしても太ってしまうので仕方なく飲まないようにしているという方は多いのではないでしょうか。

摂取量だけでなく、お酒はアルコール度数が高いほど高カロリーになり、お酒を大量に飲む人ほど肝臓に中性脂肪が蓄積されていきます。

太るだけならまだしも、アルコールの摂取過多は、肝臓の機能を低下させ、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症等の生活習慣病の原因になったり、ひいては癌・心臓病・脳卒中のような大きな病気をひきおこしかねません。

「ウイスキーを始めたいけど、酒類の中でもアルコールが高いから太りそうだし、健康にも悪そうだからやめた方がいいのかな?」

と疑問をお持ちのお酒好きの方のために、ウイスキーは果たして健康に悪いのか?適量や飲み方について解説いたします。

この記事のポイント

  • ウイスキーは健康に悪いのか
  • 健康を害さないウイスキーの摂取量・飲み方をご紹介

1.ウイスキーは健康に悪いのか

 

お酒は美味しいし、気分も良くなる、仲間内で集まって飲むのはとても楽しいですし、ストレス発散になります。

でも、太ったり、大きな病気の原因になりかねないというような健康に悪い影響があるのかと思うと

「なるべく飲まないようにしてお酒を止めよう」

という考えに辿り着きます。

とはいえ、飲酒未経験の人でない限り、まったくお酒を飲まないのは中々難しいことでしょう。

お酒を通しての人付き合いなどもあります。

この先も好きなお酒、特にウイスキーを健康に楽しめることはできるのでしょうか。

1-1.適量の飲酒による効果

飲酒はまったくしないほうがいいとは一概には言えません。

飲酒するとアルコールは血液に溶け込んで、まず肝臓に運ばれます。

アルコールは肝臓内で「アセトアルデヒド」という物質に分解されますが、お酒に弱い人はアセトアルデヒドを分解してくれる「ALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)」の活性が非常に弱かったり、全くなかったりするので顔のほてりや頭痛、吐き気など不快な症状を引き起こしてしまうこともあります。

お酒が殆ど飲めない人にとってはこういった不快な症状が出ますが、普通に飲める人にとっては飲酒は100%悪でしかないということではありません。

アセトアルデヒドが血管を拡張させるということは血液の流れをよくするという効果があります。

勿論これは少量の飲酒量に限ります。

筋肉のこりのほぐれや、緊張感を和らげるなどの効果を感じたことはないでしょうか。

1-2.お酒に含まれる糖質

お酒をついつい飲み過ぎて太ってしまう、太ると尿酸値が高くなり、健康面でも心配事が増えます。

お酒で太ってしまうのは糖質やカロリーが高いせいだからなのでしょうか?

糖質制限をしているとウイスキーはのめないの?と悲しくなってしまいます。

しかし、結論から言うとウイスキーの糖質は0なので糖質制限されている方も飲むことができます。

テレビや雑誌で糖質制限ダイエットという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、ご飯・パン・麺・芋類などの炭水化物や糖質を抑えめに、たんぱく質・脂質が主成分の食品・野菜などを中心にした食事をとるスタイルです。

糖質は炭水化物の中の食物繊維を抜いたものです。

炭水化物を摂取すると糖質だけが体内にエネルギーとして残ります。

糖質がある酒類は様々ありますが、ウイスキーが糖質0なのは蒸留によってアルコールや水分を抽出しているので、栄養成分がないためです。

お酒の種類別の、糖質量の目安は下記の通りです

お酒の種類 100gあたりのカロリー 100gあたりの糖質量
ビール(淡色) 39kal 3.1g
発泡酒 44kal 3.6g
赤ワイン 68kal 1.5g
白ワイン 75kal 2.0g
ウイスキー 234kal 0g
日本酒(純米酒) 102kal 3.6g
梅酒 155kal 20.7g

参考元:文部科学省「食品成分データベース」

脂肪として身体についてしまう糖質がウイスキーはゼロ!

さらに嬉しいことにプリン体がほとんどありません。

ウイスキー100ml中に、プリン体は約0.1mgに対しビールは約5.0mg程度です。

最近テレビCMなどでも「プリン体0、アルコール0、糖質0」をうたっている発泡酒やビールの宣伝を観たことがあると思います。

プリン体ゼロがいい、ということであまり良くないイメージのプリン体ですが、プリン体は悪い物質ということではありません。

プリン体は運動したり内臓を動かすための大事なエネルギー物質で体内でも作られていますが、ほとんど全ての食品に含まれていまおり、過剰に摂取すると尿酸値の上昇や痛風などの原因となります。

高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインによればプリン体の摂取量は1日400mg以下にすることが推奨されています。

アルコール飲料は、含まれるプリン体は多くはありませんが、アルコールの作用が加わって尿酸値が上昇します。

高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインによれば、アルコールにおけるプリン体の含有量や尿酸値の上昇について以下の研究結果が掲載されています。

アルコール飲料は,プリン体の有無にかかわらず,それ自体の代謝に関連して血清尿酸値を上昇させるため,種類を問わず過剰摂取は厳に慎むべきである。

特にビールはプリン体を多く含むばかりでなく,エタノール等量で比較すると他の酒類よりも高エネルギー飲料であるため,肥満を助長する可能性があり,注意すべきである。血清尿酸値への影響を最低限に保つ目安量としては1日,日本酒1合,ビール500mL,またはウィスキー60mL程度であろう。

引用元:厚生労働省委託事業「公益財団法人日本医療機能評価機構」Minds ガイドラインライブラリ

1-3.ウイスキーのカロリー

ウイスキーには糖質などの栄養分もないし、プリン体もゼロだから太ることは気にしないで飲めると安心していまないでしょうか?

前述のお酒の種類別の表をご覧ください。

糖質はありませんが、カロリーは他のお酒に比べて高いですね。

栄養分のないウイスキーのカロリーは何かというとほとんどアルコール自体のカロリーということになります。

でも、

「お酒のアルコールは栄養分のないエンプティカロリーと聞いたことがあるし、問題ないのでは?」

と考える方もいらっしゃるでしょう。

エンプティカロリー』とはそのまま空っぽのカロリーということ。

アルコールは糖質や脂質などと違い、気体になりやすい性質もあるため体外に排出されやすいことからこのように言われています。

しかし、適量を超えた飲酒だと、アルコールの代謝が追い付かず、中性脂肪がつくられるように代謝の過程が変わってしまいます。

アルコールが高いほど、カロリーが高いといわれているのはこのためです。

「それならアルコール度の高いウイスキーは飲めない・・・。」

と思ってしまいますが、お酒の飲み方や適量に気をつければむしろ他のお酒よりも太りにくく、健康に悪いということはありません。

2.ウイスキーの1日の適量

 

2-1.ウイスキーの1日の適量

では、ウイスキーを健康を悪くすることなく飲める量について確認しましょう。

お酒に強い、弱いなどは体質や遺伝によるところが非常に大きいといわれています。

適量には個人差があるので、参考程度にご紹介します。

厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」によれば、女性は一般に女性は男性に比べてアルコール分解速度が遅いので、体重あたり同じ量だけ飲酒したとしても、女性は男性に比べて臓器障害を起こしやすくなるので、飲酒量は男性の1/2~2/3程度が適当と考えらています。

全体では「節度ある適度な飲酒量」は、1日平均純アルコール量は約20g程度になります。

純アルコール20gに相当する酒量は以下の通りです。

お酒の種類 アルコール度数 酒量
ビール(淡色) 5% 約500ml
発泡酒 5% 約500ml
赤ワイン 11%~15% 約200ml
白ワイン 5%~14% 約180ml~500ml
ウイスキー 40%~43% 約60ml
日本酒(純米酒) 18.3% 約136ml
梅酒 8%~15% 約200ml~310ml

ウイスキーは他のお酒と比較してみると酒量としては少ないですが、60mlという酒量はストレートやロックをダブルで飲んだ場合の酒量です。

アルコール度も高く、飲むのに時間もかかるので酒量は少なくなります。

2-2.純アルコール量を計算してみる

純アルコール量は自分で簡単に計算ができます。

純アルコール量を求める計算式

  • お酒の量(ml) × アルコール度数/100 ×0.8(アルコールの比重)= 純アルコール量(g)

例えば、アルコール度数41%のウイスキー(60ml)に含まれる純アルコール量は、

60ml × 41/100(=41%) × 0.8 =19.68gとなります。

お酒の量が増えていてアルコール量が気になるという方はこの式を覚えておくと便利ですね。

3.身体に負担をかけないウイスキーの飲み方

健康に悪いウイスキーの飲み方をやめ適切な方法をこころがけましょう。

改めて確認しなくても分かっていることはあると思いますが、アルコールの高いウイスキーを飲むにあたっては再確認すべきでしょう。

3-1.飲む時のシチュエーション

 

お酒で健康を害すのは酔いが短時間で回ってしまうことです。

特にウイスキーのようなアルコール度の高いウイスキーで早く酔いが回ってしまうと急性アルコール中毒になる危険性もあります。

酔いが早く回ってしまわないようなシチュエーションを心がけましょう。

酔いが早く回ってしまうのは胃が空っぽ、お腹が空いている状態で飲むと胃の粘膜が直接ダメージを受けてしまいます。

お酒が強い人でもすきっ腹でお酒を飲むとお酒を飲むスピードが上がってしまい、身体によくありません。

食事やおつまみでお腹を満たしながら、ゆっくり時間をかけて味わいましょう。

3-2.ウイスキーの飲み方

ウイスキーは他のお酒よりアルコール度が高いので、ウイスキー初心者の人はいきなりロックやストレートで飲むのは避けた方がいいでしょう。

ウイスキーを飲みなれている方もカロリーが気になるのであれば飲み方を変えてウイスキーを水や炭酸水で割るとアルコールもカロリーも抑えられます。

飲み方でこんなに変わる

  • ストレート・・・234kal
  • ハイボール・・・47kal

いづれも100mlあたりのカロリーになりますが、かなり違いますね!
ハイボールにして飲むとカロリーはお酒のなかでも低いビール・発泡酒並みでありながら、ビール・発泡酒に含まれているような糖質やプリン体もないので非常にヘルシーですね。

ただ、ストレートでも水やチェイサーなどを用意して、1口ごとにチェイサーを入れ、ゆっくりピッチを早めないで飲むことで悪酔いを防ぎます。

飲んでいてピッチが早いような気がしたら、飲み方を変えて水割りやハイボールなどウイスキーを薄めて飲むようにしましょう。

4.まとめ

ウイスキーを初めて飲む人にとっては、アルコールの高さから健康に悪い可能性があるのかと心配になってしまいますね。

でも、糖質はゼロでプリン体もほぼないに等しく、糖質制限されている方でも飲むことができ、気になるアルコールも薄めて調整して適量を飲むようにすれば健康に悪影響はないということが分かりました。

ぜひ、休肝日を設けて肝臓を休ませながら、健康的にウイスキーを楽しんでみてください。

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