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年代物のウイスキーの価値とは?実際に高額で取引された銘柄も紹介

2021.07.22 / 最終更新日:2021.07.22

一般に販売されるウイスキーよりも長期間熟成された年代物のウイスキーの価値は高くなることがほとんどです。

ウイスキーは適切な保管状況の中では腐ることはありませんが、長期の熟成を続けるための保管状況を維持するためにはコストもかかります。

適切に保管を続けていても、災害などの不測の事態で失われてしまうウイスキーもあります。

よって、年代物と呼ばれるウイスキーは限定生産でありながら、さまざまな理由によって本数が減ることから高い希少性を持っているので、その価値は高騰しやすいといえるでしょう。

この記事では年代物のウイスキーの価値や味、現行で販売されている商品との違いを解説し、実際に高額で取引された銘柄の例も紹介していきます。

この記事のポイント

  • 年代物のウイスキーの価値はなぜ高いのかをさまざまな観点から紹介
  • 実際に高額で取引された年代物のザ・マッカラン、山崎について解説

年代物のウイスキーの価値

年代物といっても熟成期間などの差や銘柄によってその価値には大きな差が存在します。

数十万円で購入できるものから、数百万円で購入できるものまで幅広いです。

高額で取引された年代物のウイスキーの中には、日本円に換算して1億円以上の値で取引されたものもあります。

基本的に年代物のウイスキーの中でも熟成期間が若く、マイナーな銘柄の価値は安いです。

一方で、ほとんど出回ることがない長期の熟成期間かつ人気の銘柄の価値は高くなりやすく、年々その価値は高騰します

例えば、ジャパンニーズウイスキーの中でも人気の銘柄である山崎50年は2005年~2011年に100万円で限定販売されましたが、2018年に3,500万円で落札されました。

今後取引されることがあればより高い価格で落札されることが予想されます。

また、ウイスキーの価値は熟成に使用されるカスク(樽)によっても左右されます。ウイスキーのカスクについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

ウイスキーの価値を左右するカスクとは?種類についても解説!

年代物のウイスキーの味

年代物のウイスキーの価値が非常に高いと聞くと、味が気になる方もいることでしょう。

年代物のウイスキーは必ずしも現行で販売されているウイスキーよりも美味しいからこそ、高額で取引されるわけではありません

しかし、年代物のウイスキーは熟成期間が長いほど現行品のウイスキーとは異なる風味に変化しやすくなります。

ウイスキーは蒸留されているので、適切な保存状態であれば長期熟成により腐ることはありません。

よって、熟成期間が長いほど現行品では味わえない希少価値の高い風味を楽しめるのです

長期熟成によって発生するランシオ香とは?

年代物のウイスキーにはランシオ香と呼ばれる香りが発生することがあります。

この香りはブルーチーズのようなカビ臭い香りや、ダンボールのような香りと形容されるので、どちらかといえばマイナスの印象です。

しかし、ウイスキーが持つ香りと合わさると、ウイスキー愛好家の中には極上の香りと形容する人もいるようです。

ランシオ香は主にブランデーで発生する香りといわれており、必ずしもすべての年代物のウイスキーで発生するわけではありません。

ウイスキーでランシオ香が発生する条件は、長期かつ、シェリー樽・ポート樽による熟成と考えられています。

ランシオ香が発生する原因は完全には解明されていませんが、一部の年代物のウイスキーの風味が変化する要因といえるでしょう。

長期熟成はマニア向けの楽しみである

ここまでの話をまとめると、年代物のウイスキーは短い期間で熟成されたウイスキーと比較すると風味が変わるのは事実ですが、必ずしも美味しく感じるように変化するわけではありません。

長期の熟成における風味の変化は研究が進んでおらず、変化する味をコントロールできないからです

蒸留所で一般に販売されているオフィシャルボトルは、ブランドのイメージを守るために味を統一しており、どのような味わいになるのか計算して製造しています。

よって、蒸留所が想定した味わいになるように製造されているので、安定した品質を持ったウイスキーを大量生産可能になります。

年代物のウイスキーの長期熟成はどのように経年変化するのか完全に予想することは難しく、必ずしも現行品を上回る味わいに変化するとは限りません。

年代物のウイスキーは希少価値が高く、愛好家がコレクション目的や、新たな味わいを求めるために集めるマニア向けの商品であり、その価値に風味や美味しさの保証はないといえます

高い価格で取引された年代物のウイスキー

実際に高額で取引された年代物のウイスキーの例を紹介していきます。

  • ザ・マッカラン60年
  • 山崎55年(サントリー)

ザ・マッカラン60年

ザ・マッカラン60年とは、シングルモルトウイスキーの中でも人気銘柄であるザ・マッカランを1926年~1986年の60年間熟成させた希少なウイスキーです。

一般的な現行品の熟成期間が12年であるため、現行品の5倍の期間熟成させたウイスキーになります。

2018年にザ・マッカラン60年がスコットランドのエディンバラで落札されましたが、落札価格は1本で84万8,750ポンド、日本円になおすと約1億2,500万円です。

このザ・マッカランは世界で24本しか生産されておらず、24本のうち現状で何本現存しているのかも不明となっています。

今後、減ることはあっても増えることはないので、2018年以降にザ・マッカラン60年が落札されることがあれば、1億2,500万円上回る価格が付くことが予想されます。

ザ・マッカランについて詳しく知りたい方はこちらのページもチェックしてください。

マッカラン蒸留所 - Macallan

山崎55年(サントリー)

ジャパニーズウイスキーはミズナラ樽による長期熟成が世界で評価を得たことにより、山崎を含むさまざまな日本のウイスキーの価値が高騰しています。

その中でも販売元のサントリーにおいて最も熟成期間が長いウイスキーである山崎55年は、香港のオークションで620万香港ドル、日本円に換算して約8515万円で落札されました。

生産数は限定100本であり、2020年に6月に公式で330万円で販売された商品が同年の8月に約25倍の価格で転売されたことになります。

山崎50年がすでに3,500万円で落札された前例があったことも大きく、限定品のウイスキーの価値が短期間で大きく高騰した例といえます。

年代物のウイスキーと現行品の違い

年代物のウイスキーと現行品のウイスキーの主な違いは下記の通りです。

  • 年代物のウイスキーのほうが味わいが奥深いものになりやすい
  • 現行品のウイスキーのほうが飲み方の自由度が高い

年代物で長期熟成させたウイスキーと短期間で熟成させたウイスキーでは、年代物のウイスキーのほうが評価が高くなる傾向にあります。

先ほど解説した通り、長期の熟成によって風味や味の変化をコントロールできませんが、長い熟成期間を経ると香りが強く、味わいが奥深いものになりやすいからです。

また、それぞれのウイスキーで飲み方の自由度も変わります。

年代物のウイスキーの強い香りは冷やす行為をおこなうと半減してしまうことも。

よって、年代物のウイスキーの飲み方は香りを損ねることがないストレートトワイスアップに限定されます。

一方で、現行品のウイスキーはハイボール水割りで冷やして飲んでも、元々の香りを大きく損ねることがないので飲み方の自由度は高いです。

ウイスキーの飲み方について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

ウイスキーのおすすめの飲み方はこちら!さらにウイスキーを楽しもう!

まとめ

年代物のウイスキーは希少価値が高いことから、価格が高騰しやすく、マニア向けのウイスキーとして知られています。

実際に1億円以上の価格で取引された銘柄もあり、本数が増えない限定品であれば年数が経つほど希少価値は増していくので、さらに高騰していくことでしょう。

希少価値が高く、将来的にその希少性が失われず価値が高まることが予想される商品を保有することは、投資の基本的な考え方になります。

ウイスキー投資は近年注目されている投資方法の一つであり、飲み物として楽しむだけでなく、資産形成の1つとして活用することも可能です。

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