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ティーリングとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

2022.08.09 / 最終更新日:2022.08.09

ティーリングはアイルランドのダブリンにあるティーリング蒸留所でつくられているアイリッシュウイスキーになります。

アイリッシュウイスキーというとアイルランド共和国と北アイルランドで製造されているウイスキーとなります。

アイリッシュウイスキーは世界5大ウイスキーの一つになり知名度もそこそこありますが、5大ウイスキーの中ではあまり飲まれていないのが実情です。

しかし、アイリッシュウイスキーは比較的フルーティでライトボディで飲みやすいので初心者の方はアイリッシュウイスキーから始められてもいいのではないでしょうか。

ティーリングの歴史・蒸留所

アイリッシュウイスキーのピークは1900年頃と言われており、当時のアイルランドの蒸留所の数は12,000~15,000と言われています。

当時のウイスキーは世界シェア60%もあったのです。

しかし、1919年に主要取引先のアメリカで禁酒法が施行されたためアメリカにウイスキーが輸出できなくなり、生産規模が一気に縮小しました。

更に追い打ちをかけるようにアイルランドで内戦が始まって、経済力が低下。

第二次世界大戦によりアイルランドは中立の立場をとったため、国内の供給を優先してウイスキーの輸出を制限しました。

そこで、アメリカ兵たちは今までアイリッシュウイスキーを飲んでいた代わりにスコッチウイスキーを飲み始めたのです。

そこからスコッチウイスキーのシェアが伸び始めました。

それと引き換えに徐々にアイリッシュウイスキーが市場からどんどん少なくなっていってしまい、1980年にはとうとうアイリッシュウイスキーの蒸留所は2か所だけになってしまったのです。

そこで、1985年にハーバード大でアイリッシュウイスキーの歴史を研究してその栄枯盛衰を学んできたジョン・ティーリング氏という人物がいました。

彼は研究とともに100年ぶりに息子たちとともにアイルランドに蒸留所を建設したのです。

クーリー蒸留所から独立した状態で息子たちが創立したのですが、16000樽を引き取って
そのストックとブラックラディ蒸留所をはじめ、様々な蒸留所から樽をかいとったそうです。

つまり、ティーリング社はボトラーズの会社でボトラーズの会社が蒸留所を建てて自社でつくったボトルとなります。

元々はクーリー蒸留所の社長の初の蒸留で製造・ボトリングされたのがポットスチルで他にもスモールバッチやシングルモルトなども積極的にリリースされています。

インディペンデントボトラーズでもあり、別蒸留所の長期熟成樽が「ティーリング」名義でリリースされています。

そのような歴史があるので、2015年以降と2015年以前では味わいも変わってくるでしょう。

ティーリングの製法

ティーリングはポットスチルウイスキーと呼ばれる未発芽の大麦を使用したものと発芽済みの大麦を混合したアイルランド独自の製法で作られたウイスキーとモルトウイスキーの2種のウイスキーを作っています。

アイリッシュウイスキーの定義としては30%以上モルトを使うこと。

そして30%以上未発芽の大麦をつかうということが決まっており、その他の分は他の大麦やライ麦などで補っています。

そして単式蒸留器で3回蒸留しています。

ティーリングの種類

ティーリングのおすすめラインナップをご紹介します。

ティーリング スモールバッチ

画像引用:Amaon.co.jp

こちらはノンチルフィルタードでバーボン樽熟成したウイスキーをラムカスクでフィニッシュしています。
香りはスパイシーなすっとするような感じです。

味わいは香り以上にふくよかなバニラの甘み、スパイシーさもどことなくアジアンチックであり、アルコールの重みもしっかりとかんじられますが、ピリピリとした感じはありません。

ライ麦を使用しているためライ麦っぽいスパイシー感があります。

若干好みが分かれますが、甘みよりスパイシーのほうが若干強く美味しいです。

ティーリング シングルモルト

画像引用:ティーリングオフィシャルサイト

色は明るめのゴールドで、シェリー、ポート、マデイラ、ホワイトバーガンディ、カベルネ、ノーヴィニヨンと5種類の多彩な樽でフィニッシュしたモルトをブレンドしています。

アロマは大変フルーティで非常に軽やかな香り、ブドウっぽさイチジク、レモンピール
味わいはイチジク、レーズン、あまく煮たリンゴ、フィニッシュで若干スパイシーです。

熟成年数はノンエイジで10年位までなのですが、非常に飲みやすく甘くて果実感があり軽くてするすると飲めてしまいます。

ウイスキー初心者の方でも、ストレートで飲めるほどです。

加水するとさらにフルーティになり、ワイン樽熟成したと思えないほどです。

ティーリング シングルグレーン

画像引用:ティーリングオフィシャルサイト

スモールバッチ と同じく、ティーリング初期からリリースされているオリジナルボトルになります。

こちらの銘柄は原料の95%がグレーン、つまりトウモロコシ残り5%でモルトを利用しており、バーボン樽で熟成後、ボルドー産の赤ワイン樽でフィニッシュをかけ、ノンチルフィルターの50%でボトリングしています。

なお、アイリッシュウイスキーには定義によりシングルグレーンウイスキーには原料の30%までモルトを使用することが認められています

色は濃いオレンジの金色、アロマはバニラ、シナモン、カスタード、オーキー。

ボディは甘くクリーミィー。

ティーリング ポットスティル

画像引用:ティーリングオフィシャルサイト

こちらは3回蒸留のウイスキーになります。

原材料がモルト50%、未発芽の大麦50%と大麦のみで作られています。

新樽、バーボン樽、ワイン樽の3つの樽で熟成したものをブレンドしています。

非常に穀物感があり、ワイン樽を使用しているのでワイン樽の良さが大変出ており、アルコール度数は46%で飲みごたえもしっかりあります。

それでいて素朴な牧草地ののアロマ、バニラの甘みタンニンのツンとした感じやシナモンのスパイシーさも感じられます。

ニューメイクっぽい感じはありますが、そこからパイナップル香やエステリー感に変換していく感じです。

総合的にはカントリー的な素朴感がある温かみのある甘みといったところです。

ティーリング ブラックピッツ

画像引用:ティーリングオフィシャルサイト

黒いボトルが印象的なこちらのウイスキーですが、アイリッシュウイスキーはモルトのうま味が強くさっぱりと飲める初心者向けのウイスキーというのが特徴ですが、こちらはピーテッドモルトなので、煙さが前面に出ていてアイラウイスキーに似ています。

しかし、アイラのようにヨード香があるわけでなりません。

好き嫌いの分かれる味わいと言っていいかもしれないですね。

ブラックピッツという名前はティーリング蒸留所の近くにある地域の名前が由来でダブリン時代にウイスキー産業が栄えていた時に大規模な精麦工場が存在していたエリアになります。

100%モルトを使用したピーテッドモルトでフェノール値は約55ppmで結構スモーキーさは際立っています。

3回蒸留した後にバーボン樽トソーテルノワイン樽で熟成して、それぞれの樽を熟成して46%でボトリングしたものになっています。

香りはバーベキューのスモーク、クローヴ、フレッシュなバタースコッチにオレンジの皮、味はリンゴの木のスモーク、ハチミツ、オールスパイス、煮込んだ洋梨と焼いたパイナップル、フィニッシュは塩キャラメル、木とスモークの良い風味。

ティーリング ブラバゾン シェリーカスク

画像引用:Amazon.co.jp

16世紀から19世紀にかけてダブリンシティのリバティーズエリアを統治し、醸造、蒸留、機織、なめし・・・といった貿易と商業を興した、ミース伯3世、ウィリアム・ブラバゾンという人物に敬意を込めて名付けられたこちらの銘柄は酒精強化ワイン樽で熟成され、ユニークなインパクトのあるフレーバーが印象的です。

アロマはアルコールの刺激がまず強く感じられますが、すぐその後にチェリーやベリーなどの果実、蜂蜜や香辛料のドライ感もあります。

味わいは濃く、芳醇な甘みでフルーティーです。

コショウのスパイシーさとスポンジケーキの甘み、ジャムと変化していきます。

余韻はスパイシーアロマで感じたチェリーやベリー系の赤い果実で終焉します。

ティーリング 18年 シングルモルト ザ ルネッサンス

画像引用:ティーリングオフィシャルサイト

ダブリン市内の蒸留所がすべて閉鎖されてから約125年ぶりに稼動を始めたのがティーリング蒸留所です。

そんな久々にダブリン市内にオープンした同蒸留所を皮切りにアイルランドでは現在多くの新蒸留所が稼働したり建設中となるなど、まさに黄金時代を再び迎えています。

そんな輝かしいアイリッシュウイスキーの新時代の幕開けを記念して発売されたのがこの限定シリーズ「ルネッサンス」です。

待望の第4弾はバーボン樽で熟成したシングルモルトをピノデシャラント樽で約18カ月間フィニッシュをかけ、ノンチルフィルターの46%でボトリングしています。

アロマはマスカットやアプリコット、桃など、全体的に甘いフルーツといったところ。

味わいも優しいフルーティテイストですが、紅茶やローズウォーター、マスカット感もありソフトなボディにうまくマッチしています。

ティーリング ヴィンテージ リザーブ 21年

画像引用:Amazon.co.jp

こちらはバーボン樽で熟成後にソーテルヌカスク樽でフィニッシュして仕上げています。

この銘柄はボトラーズとしてリリースされた商品で、21年もののクーリー蒸溜所のモルト原酒を使用していますが、現在は終売しています。

アロマは穏やかでありながら、トロピカルな南国のフルーツ感に、麦芽クッキー、

味わいは香りのままに強烈なトロピカルを感じます。

マンゴーの味が次第にクリームに変化していく感じでマンゴーラッシーを彷彿とさせます。

それでいて、黒コショウのスパイシーさ、穀物の甘みもあります。

ティーリング ヴィンテージ リザーブ 28年

画像引用:ティーリングオフィシャルサイト

こちらはラムカスクで熟成した銘柄です。

グァバやパパイヤといったトロピカルなアロマが漂い、ほのかに大麦のクリームのような感じをフルーツにつけたようなとてもいい香りがします。

味わいは熟したグァバ、酸味の和らいだ甘やかなパッションフルーツ、柔らかいケミカルなトロピカルな甘さが、段々とオーキーな感じにうつっていきます。

みずみずしい梨をたべたときのようなシャリシャリとしたジューシーさの余韻のような感じで終わります。

ティーリング ヴィンテージ リザーブ 30年

画像引用:ティーリングオフィシャルサイト

バーボン樽で熟成した1991年蒸留のシングルモルトを、ソーテルヌワイン樽で熟成した同じく1991年蒸留のシングルモルトとブレンドして瓶詰めし、全世界で4,000本が限定発売されました。

色はオレンジかかった琥珀色で、香りはパッションフルーツ、ローズウォーター、マンゴー、キャラメル。

テクスチャはとろりとしていて、味わいは甘くパッションフルーツやマンゴーバニラ、オレンジピールなど。

ティーリング ヴィンテージ リザーブ 37年

画像引用:ティーリングオフィシャルサイト

ティーリングで最も古いリリースとなる37年熟成、175本の完全限定品です。
バーボン樽で熟成しています。

アロマは白桃、切り草、ホワイトチョコレートとかすかに焼いたアーモンド、味はシルキーでスムース、熟した桃とハニー、スモークしたシーソルトでかすかに下の上でスパイス、フィニッシュは長くて柔らかく、甘いスパイスが続きます。

まとめ

スコッチも現在中々入手しづらくなってきたおり、シングルカスクは即完売するほどの人気で、ジャパニーズウイスキーは瞬殺といった感じ。
ここら辺で少しアイリッシュに目を向けてみるのもいいのではないでしょうか。

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