HOME > ウイスキー知識 > ビギナー > ジェムソンとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

ジェムソンとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

2022.07.31 / 最終更新日:2022.07.31

ジェムソンはアイリッシュウイスキーになります。

バーやパブでも置いてあるところが多いので馴染みが深いウイスキーなのではないでしょうか。

世界5大ウイスキーのアイリッシュウイスキーですが、アイリッシュウイスキーの中では世界シェアNO.1のウイスキーで超有名アイリッシュウイスキー、アイリッシュウイスキーの代表選手ということになります。

元々はアイルランドの首都ダブリンに蒸留所があったのですが、現在はアイルランドの南部にあるミドルトン蒸留所に移っています。

アイリッシュウイスキーの多くはスコッチとは違いノンピート麦芽を使用していることと、蒸留を3回(スコッチは2回)行っていることで、コクが豊かでスムースな味わいを実現しています。

こちらのジェムソンはアイリッシュウイスキーを代表する存在となっているんですが、クセがなくすっきりとした飲み口で定評があり、初心者の方にピッタリの銘柄なのではないかと思います。

この記事のポイント

  • ジェムソンの伝統の製法や蒸留所を紹介
  • ジェムソンの味わいを堪能できるおすすめの飲み方を解説

ジェムソンの歴史・蒸留所

画像引用:ジェムソン公式ウェブサイト

ジェムソンの歴史は古く18世紀後半位までさかのぼります。

当時アイルランドはスコッチウイスキーよりも世界シェアでは群をぬいてNO.1にたっていました。

今でこそスコッチウイスキーは世界の覇権のような感覚があると思うのですが、実はスコッチが注目され始めたのはブレンデッドウイスキーが開発された19世紀後半からなのです。

アイリッシュウイスキーをつくって、それを大英帝国が販売するというスタイルをとっていたのです。

しかし、ピートの不足やスコットランド内でブレンデッドをつくったりし、グレーンなどを使用してそこそこの値段でウイスキーが飲めるようになったことからスコッチが主流になったのです。

ジェムソンは1780年にジョン・ジェムソンという人物によってアイルランドの首都、ダブリンのボウ・ストリート蒸留所で生まれます。

当時のダブリンは「ダブリンのビッグ4」と呼ばれる4つの大規模蒸留所を中心に、多くの蒸留所が立ち並んでいました。

ボウ・ストリート蒸留所はビッグ4の一つで主要ウイスキー銘柄として世界的な人気を博します。

1805年には生産量世界一を誇る巨大ウイスキーメーカーとして成長を遂げ、やがてボウ・ストリート蒸留所はジョンがこの蒸溜所の経営権を得て、1810年に息子と立ち上げます。それがジョン・ジェムソン・アンド・サン・アイリッシュ・ウイスキー社でした。

しかし、その後の経営は波乱に満ちていました。

まず、アイルランド国内の禁酒運動による打撃。

そして次にアイルランドの独立戦争と続いて起きたイギリスとの貿易戦争です。

イギリスはジェムソン社のウイスキーをイギリス連邦へ輸出することを禁止したのです。

当時のイギリス連邦はウイスキー需要の非常に高い地域でしたので、この輸出を断たれたことによる被害額は相当大きかったのではないでしょうか。

そしてその後のアメリカによる禁酒法時代の到来。

禁酒法がやっと開けたと思えば前述のようにスコットランドがブレンデッドウイスキーを造りはじめ、スコッチウイスキーとアイリッシュウイスキーの力関係が逆転します。

しかし、その後復活の兆しがみえます。

第二次世界大戦後、アイルランド全体の蒸留所を結束して、1966年にコーク・ディスティラーズ社とジョン・パワーズ社が合併し、現在の「アイリッシュ・ディスティラーズ・グループ」が設立されたのです。

1975年になるとミドルトン蒸溜所がコークの郊外に新設され、ジェムソン社が所有していたボウ・ストリートとジョンズ・レーンにあったダブリンの蒸溜所が閉鎖されます。

その後1988年にペルノリカール社がアイリッシュ・ディスティラーズを買収したことでジェムソンも同社の傘下となり、現在に至ります。

ペルノリカール社に買収されてからは親会社の潤沢な資金により、アイリッシュ・ディスティラーズも立て治り、世界のTOP5に名を連ねるようになりました

ジェムソンの製法

画像引用:ジェムソン公式ウェブサイト

ジェムソンはアイルランドの伝統的な製法を守り続けています。

原料はミドルトン蒸溜所からほど近くで育ち、収穫された大麦とグレーン用のトウモロコシはフランス南部で収穫されたものを使用しています。

仕込み水は蒸溜所敷地内を流れるダンガーニー川の水でミネラルを含んだジェムソンの味わいに欠かせない原料となっています。

その最大の特徴は3回蒸留ですが、設備は拡張が何度も行われ、現在は巨大なポットスチル(単式蒸溜器)が10基稼働。グレーン用の巨大コラムスチルが7基稼働しています。

ジェムソンはポットスチルウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしてつくられています。

あえて時間をかけて蒸溜を繰り返すことで独特のなめらかな口当たりがもたらされます。

また、スコッチウイスキーのようにピート(泥炭)を用いるのでなく、密閉炉でじっくりと乾燥させることで、穀物感が増し、クセの少ない穏やかな香りを生み出しています。

熟成樽はアメリカンオークのバーボン樽をはじめ、スペインのフォーティファイドワイン樽、シェリー樽、最近ではビール樽なども使用しています。

ジェムソンの特徴と味わい

ジェムソンはアイリッシュの部類では世界NO.1ですが、ウイスキーの世界の販売数量でもTOP.4を誇っています。

2019年販売数量トップ5
1位 ジョニーウォーカー 18,400,000c/s
2位 ジャックダニエル 13,400,000c/s
3位 ジム・ビーム 10,400,000c/s
4位 ジェムソン 8,100,000c/s
5位 クラウンロイヤル 7,900,000c/s

出典:The Sprits Business

ジェムソンの味わいは何といっても3回蒸留によるまろやかで滑らかな口あたりでしょう。
そしてクリーンなフローラル系のアロマが素晴らしく、若干のナッツの香ばしさやスパイシーさもはいっている複層的な香りが印象的。

味わいはライトで熟成樽の甘いバニラの味わいがあり、わずかにシェリーのあまさが感じるか感じないか程度にあります。

アルコールの刺激は感じつつも非常に滑らかな舌触りになっているという不思議なウイスキーといえます。

ジェムソンの種類

ジェムソンのおススメラインナップをご紹介します。

ジェムソン スタンダード

画像引用:ジェムソン公式ウェブサイト

色合いは赤みがかった琥珀色でアロマはフローラルで香ばしさとほのかに甘みのあるシェリー感、全体的にはアロマは抑えめです。

少しアルコールの刺激感があるのですが、オイリーでナッツの香ばしさ、清涼感があり、シェリーのレーズンぽさが感じられ、喉を通すとウッディーな感じが現われます。

スモーキーさはなく、スムースで味の全体を占めているのはウッディーな感じにほのかにシェリー感といったところです。

ジェムソン スタウトエディション(旧カスクメイツ)

画像引用:ジェムソン公式ウェブサイト

「ジェムソン スタウト エディション」は2017年 ISC インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ 金賞受賞しています。

こちらはアイルランドの都市、コークにある人気のマイクロブルワリーとの共同製造によって生まれたウイスキーになります。

熟成製法が独特で、まずジェムソンの原酒を熟成した樽にスタウトビールを入れて熟成させ、そのあと、またその樽でジェムソンを後熟させるのです。

この工程によってジェムソンのライトな味わいにコク持たせ、カカオやコーヒーのようなほろ苦さを原酒にあたえます。

このコラボはミドルトン蒸留所のマスターの一人である「デイブ・クイン」と、こだわりのクラフトビールを造っていたマイクロブルワリー「Franciscan Well」の創業者「シェイン・ロング」の話し合いによって誕生したといわれています。

ジェムソン ブラック バレル

画像引用:ジェムソン公式ウェブサイト

「ジェムソン ブラック・バレル」は3回蒸留とチャーリングと言って樽の内側を焦がす工程を2回加えることによって芳醇で滑らかな味わいを加えています。

ブラックバレルの由来はこの樽の内側を焦がしたときに黒くなることからきています。

熟成に使用しているのはバーボン樽とシェリー樽ですが、ブラック バレル使用なのはバーボン樽のほうになります。

バーボン樽をしっかりとチャーさせることでナッツの香ばしいような香りやスパイシーなアロマを作り出します。

味わいは香ばしいナッツとコショウのスパイシーさだけでなく、樽由来のバニラの甘さやシェリー樽由来のフルーティーなフレーバーが印象的です。

ジェムソン ボウ ストリート

画像引用:ジェムソン公式ウェブサイト

1780年、ジョン・ジェムソンがダブリンの中心地にジェムソン ボウ・ストリート蒸留所を設立しました。

ジェムソンに敬意を込めて作られたのが「ジェムソン ボウ ストリート」です。

こちらはダブリンで唯一熟成されているウイスキーで、ダブリンのボウ・ストリート旧蒸留所で、ファーストフィルのバーボン樽72樽に移し替えて更に熟成し、フィニッシュさせました。

加水によるアルコール調節をせずにそのまま瓶詰めしているカスクストレングス製法のため、アルコール度数は高めですが、複層的な味わいが楽しめます。

アロマは樽を感じさせる豊かな香りにコクと深みがあるカラメルとスパイスのドライ感がかさなったような印象です。

味わいは樽由来のオークとバニラの甘みにシェリー由来のレーズンやプラムなどの芳醇さが加わっています。

ジェムソン カスクメイツ 東京エディション

画像引用:Amazon.co.jp

こちらは日本限定品で、ジェムソンと東京の人気ブリュワリー「DevilCraft」がコラボレーションしたことによって生まれたボトルです。

こちらはジェムソンを熟成した樽を日本へ輸送し、DevilCraftの2種類のクラフトビールである

  • インペリアル・スタウト
  • インペリアルライ・ブラウン・エール

をそれぞれ別々の樽で熟成し、数量限定のバレルエイジドビールを製造します。

ボトリングして空になった樽はその後またアイルランドの蒸留所に戻して、ジェムソンを後熟します。

アロマはビールのホップ、コーヒー、フルーツ。

味わいはスムースでライト、甘みのあるコーヒー、わずかにスパイシーさがあります。

ジェムソン 12年 スペシャルリザーブ

画像引用:Amazon.co.jp

こちらはオロロソシェリー樽で12年以上熟成させたボトルになります。

アロマは温かみのあるスパイシーさが特徴で、味わいはオイリーなテクスチャ、樽由来のナッツの香ばしさ、ドライフルーツのフレーバーがあります。

ジェムソン 18年 リミテッドリザーブ

画像引用:Amazon.co.jp

こちらはスペイン産のオロロソシェリー樽で18年以上熟成させた原酒をマスターブレンダーが厳選したアメリカンバーボン樽で追熟しました。

2002年以降には年2回しかリリースされない限定品で、ボトルにはシリアルナンバーもはいっている稀少性の高さがうかがえるボトルです。

アロマは甘いキャラメルやバタースコッチキャンディ、南国のフルーツ、スパイシーな香りもほのかにします。

味わいはオイリーでトロピカルな甘み、ビターチョコレートなど。

ジェムソン セレクトリザーブ ブラックバレル

画像引用:Amazon.co.jp

12年スペシャルリザーブの終売のため、後継としてリリースされたのがこちらの銘柄です。

12年スペシャルリザーブとの違いは熟成に使用する樽の内側をゆっくりと加熱・トーストしたシェリー樽を使っているということです。

しかし、リリースは2年で終わり、現在はジェムソン ブラック バレルに改称してリリースとなっています。

ジェムソン ゴールドリザーブ

画像引用:Amazon.co.jp

こちらはマスタブレンダーのビリー・レイトンが厳選した原酒を最上級の樽で熟成させた
高度なブレンド技術をもって完成させたジェムソンの自慢の1本です。

熟成にバーボン樽、シェリー樽、ヴァージンアメリカンオーク(新樽)という3種の樽を使用し

ジェムソン ジャパン リミテッド 2018

画像引用:Amazon.co.jp

日本人アーティスト YU SUDA(ユウ スダ)とコラボレーションしたボトルがこちらです。

ラベルのデザインにはストーリーがあり、公式には以下のように表記されています。

 

“家族、兄弟、友人との絆”と“受け継がれる伝統”を重んじる「ジェムソン」のアイリッシュ精神を、日本人アーティスト YU SUDAが日本的かつ若々しいデザインでユニークに表現しました。

樽を肩に担ぐ若い職人をサポートするために思わず霊界から飛び出してしまった今は亡き師匠(故人)。若者は故人の存在を心で感じながら、希望に満ち溢れた表情で行先を見据えています。さらに、若い職人が抱えるウイスキー樽からは、蒸発し上空の雲に消えてゆく“天使の分け前”が表現され、ウイスキー造りの神秘が見事に浮世絵の世界に溶け込んでいます。

ジェムソン セント・パトリックス・デー リミテッド 2018

 

 

画像引用:Amazon.co.jp

アイルランドにキリスト教を広めた聖人、セント・パトリックの命日にちなんでリリースされたのが「セント・パトリックス・デー」です。

アイルランドではセント・パトリックス・デーはクリスマス以上に盛り上がる祝祭日でジェムソンもこの盛り上がりに便乗する形でリリースしました。

イラストのデザイナーはその年により変わっているようです。

2018年リミテッドは

アレックス・メロン(北アイルランド出身のデザイナー)

レオン・ウォード(アイルランド出身のフォトグラファー)

クロディーヌ・オサリヴァン(アイルランド出身のイラストレーター)

という3人のコラボレーションによるデザインでした。

ジェムソン セント・パトリックス・デー リミテッド 2020

画像引用:Amazon.co.jp

前述のボトルの2020年度版は第8弾になります。

少しクラシカルで個性的なデザインはアイリッシュ・デザイナーの「ステファン・ヘファナン」がデザインを手掛けました。

ジェムソンのおすすめの飲み方

ロックにするとスムースさがさらに増し、アルコールのピリッとした印象もなくなるので飲みやすすぎてしまうくらいグイグイいけてしまいます。

美味しいので注意が必要になるくらいですね!

まったく舌に刺激もなく喉を通せる感じなので、これくらい飲みやすいとウイスキー初心者にもおすすめです。

少し変わり種で簡単に作れるカクテル『ジェムソン ジンジャー&ライム』もおすすめです。

公式でも紹介されていましたがシンプルなカクテルでジェムソン30mlを注いでそこにジンジャーエールを注いでライムをしぼるだけという簡単なレシピです。

これくらいでしたら、おうちでも簡単に楽しめるでしょう。

ジェムソンくらいクセがなく、スムースなウイスキーだとこのようなカクテルも副材料をこわさないカクテルが出来上がるのです。

ジンジャーエールとライムも美味しく味わえるカクテルとなるのです。

ジェムソンは他のウイスキーベースのカクテルでも非常に使用しやすいウイスキーといえます。

まとめ

総評としましてはすっきりとしてクセがない万能選手のウイスキーといったところです。

ウイスキー初心者の方が、初めてストレートやロックにチャレンジしたいという方におススメできるウイスキーでハイボールでも間違いなく楽しめるウイスキーです。

酒屋さんやスーパーでもたまにおいてあるような気軽に購入できるウイスキーで2000円前後で購入できるようなので是非みつけたら、お試しいただいてはどうでしょうか。

ウイスキーを樽で買う!無料特典付きウェビナーのご紹介

SNSで最新情報をお知らせ
Contact

ウイスキーカスクの購入、Barでの取り扱い、取材・インタビュー、事業提携のご相談など
お気軽にご連絡ください