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アイルオブスカイとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

2022.06.14 / 最終更新日:2022.06.14

アイルオブスカイは文字通り、スコットランドのスカイ島で作られているブレンデッドウイスキーで、地理的にはスコットランド北西部、インナーヘブリディーズ諸島中の最も北方に位置する島になります。

アイルオブスカイはそのまま読めば「スカイ島」という意味ですが、スカイ島はゲール語で「翼」、「翼の形をした島、「雲」などが名前の由来です。

とても、夢がある美しい名前ですね。

ミストアイランド(霧の島)とも呼ばれる厳しい海洋性気候の島です。

ボトルのラベルにはスカイ島の風景をイメージしたイラストのラベルも貼られており、アイランズ地域特有の雄大な自然が感じられます。

スカイ島で有名なシングルモルト、King of Drinks(お酒の王)とも呼ばれているのがタリスカー、タリスカーはスカイ島蒸留所唯一のモルト蒸留所ですが、アイルオブスカイにはキーモルトとしてタリスカーをメインに様々なアイラ島の原酒が使用されています。

スコッチウイスキー『タリスカー』の種類とおすすめの飲み方をご紹介

本記事ではアイルオブスカイの種類と製法と歴史について解説し、おすすめの飲み方も紹介します。

この記事のポイント

  • アイルオブスカイの伝統の製法や蒸留所を紹介
  • アイルオブスカイの味わいを堪能できるおすすめの飲み方を解説

アイルオブスカイの蒸留所・歴史

スカイ島は日本の香川県よりも少し小さい位の島で約1660㎢の大きさです。(ちなみに香川県は1877㎢)

スカイ島はマクロード一族の故郷で、スコットランドの島々で最も有名な土地で、その壮大な景色と歴史的伝説とロマンチックな冒険に富んだ遺産で知られています。

マクロード一族は、実に700年以上もの間スカイ島を支配し、管理下に置いていました。

ちなみに面白い逸話ですが、スカイ島にはイアン・マクロードのお城、ダンヴェガン城があります。

このお城には『フェアリーフラッグ』といって妖精からの贈り物があったそう。

妖精の不思議な力によって3つの願い事を叶えてくれたそうです。

ダンヴェガン城内の説明によると戦闘が繰り広げられた時、このフェアリーフラッグのおかげで
二回、敗北のふちから勝利を掴んだのだそうです。(二回は別のことに使ってしまいましたが、まだあと一回分の力は残されていたのです。)

また、1939年に城が火事に見舞われた時も、フェアリーフラッグを安全な場所へ運んだことによって、火の勢いが弱まったと伝えられています。

また、第二次世界大戦中、マクロード氏族から従軍していたパイロットたちへこの旗の写真を贈り、パイロット達はお守りとして身に着けていたということです。

現在では、イアン・マクロードはディステラー(蒸留酒製造業者)かつブレンダーでスコットランド南部のウェストロージアンのブロックスバーンという町に本拠を置き、グレンゴイン蒸留所、ノッカンドゥ蒸留所、タムドゥ蒸留所を保有していますが、かつて1933年にアイルオブスカイを製造していたイアンマクロード社はスカイ島の氏族であるマクロード家によって設立されたプライベートブランドの企業でした。

その後、1963年にイアンマクロード社はエジンバラの酒類販売会社ピータージェイラッセル社に組み込まれます。

ピータージェイラッセル社は世界でも10本の指に入るくらい著名なスコッチウイスキーの会社です。

グループ企業としてブレンデッドメーカー、ボトラーズメーカーを複数持っており、豊富な原酒を調達できる大手企業です。

ピータージェイラッセル社はレオナルド・ラッセルが1936年にウイスキーブローカーとして事業を始め、ブレンデッドウイスキーの製造と輸出の事業を始め、その息子のピーターが入社し、1963年にピーターラッセル社になりました。

その後、イアンマクロード社は買収されたものの、蒸留業者としては営業を続け、2003年にグレンゴインを買収して、ディスティラーになり、8年後にはタムドゥを買収します。

2016年にウイスキーブレンダーとジンの蒸留業者であるSpencerfield Spirit Companyを購入しています。

このように21世紀に入ってから成長著しいディスティラーで、現在では多くの銘柄を持ち、その中には日本でも知られているものもあるでしょう。

アイルオブスカイの製法

アイルオブスカイが生まれた土地は一年中気温が低く、特にスカイ島はミストアイランド(霧の島)とも呼ばれる厳しい海洋性気候の島です。

気温が低く湿地に覆われたやせた土地ということは泥炭(ピートの原料)が豊富であり、大麦の生育にも適しています。

そのため、大麦にピートを使用して乾燥させることで、ウイスキーにスモーキーなフレーバーを生み出すのに大変適しています。

アイルオブスカイも、この流れをしっかりと引き継いでおり、スモーキーな香りと潮風を含んだピーティーな香りが特徴のフレーバーを生み出すことに成功しているわけです。

一方でアイルオブスカイにはフローラルでフルーティなフレーバーもあり、飲みやすく仕上げています。

これはイアン・マクロード独自のレシピでスペイサイド原酒を絶妙な割合で調合しているからと言えるでしょう。

独特なアイランド原酒とメロウなスペイサイド原酒を上手く製法することでアイルオブスカイの奥深い味わいが完成するのです。

アイルオブスカイの特徴・味わい

マクロード一族の独自のレシピのブレンドの鍵はタリスカーをメインとしたアイランドモルトウイスキー、とまろやかなスペイサイドモルトウイスキーが非常に高い比率で含有しており、世に知られているクオリティーと注目すべき特性のブレンデッドウイスキーを生み出しています。

アイルオブスカイは、スペイサイド特有のスモーキーさがあるだけでなく、フルーティな香りもするウイスキー。

香りは、フルーティーなドライフルーツが感じられます。

口当たりは、すっと入ってきてメロウで、味わいはスパイシーさがあり辛口になります。

アイルオブスカイはブレンデッドウイスキーとしては、飲みやすさを追求したものが多い中で、はっきりとした個性を持っており、スカイ島のタリスカー同様、スモーキーな香りと潮風のあるピーティな香りが強い風味を放っています。

アイルオブスカイの種類

アイルオブスカイのおすすめラインナップをご紹介します。

アイルオブスカイ8年

画像引用:Ian MacleodDistillersLimited

色は琥珀でクリアでアンバーやや濃いゴールドが美しいです。

タリスカーの原酒が多く含まれている燻煙香のスモーキーさと麦芽糖を調和させた感じを彷彿とさせドライフルーツの香りが印象的。

味わいはまろやかで芳醇、とろりとして洗練されて懐かしいようなパワフルなドライ感と苦み、コクが豊かです。

タリスカーと比較するとアルコールの尖りが抑えられて丸みを帯びて落ち着いた感じがあります。

アイルオブスカイ12年

画像引用:Ian MacleodDistillersLimited

スコッチのブレンデッドウイスキー12年ものになります。

オーク樽で12年熟成させた後、早めにブレンドし、後熟させて原酒同士をなじませました。

その結果、有名な品質と注目に値する特徴のスムースで美味しいブレンデッドウイスキーが出来上がりました。

色は純粋な琥珀色、冴えがあって透明感。

アロマはチョコレートやカラメル、プリン、ドライフルーツのような甘い感じです。

アルコールやコショウも微妙に感じられますが、甘い香りの主張が強いです。

味わいはドライでスパイシーでパワフル、洗練された苦み、タリスカーのような強いドライ感があります。

アイルオブスカイ18年

画像引用:Ian MacleodDistillersLimited

アイルオブスカイ18年は古いアメリカンオークのバーボン樽で18年以上熟成させました。

20種類以上のシングルモルトを使用しており、スモーキーさと潮風を含んだ香り、そしてピーティさに果実や花を想わせる華やかなフレーバーを生み出しています。

アロマはスペイサイドの個性を芯に持ちながら、アイランズの個性も際立っており、シナモンとグーズベリーの香り。

味わいは穏やかなスモーキー、オレンジピール、フルーツケーキ、タフィーなど。

アイルオブスカイ21年

画像引用:Ian MacleodDistillersLimited

アイルオブスカイ21年は、1,000本の限定生産品で、製造ナンバーがボトルの底に印字されています。

アロマは乾燥させたバナナから、木のスモーキーさとマンダリンオレンジ、殻付きのクルミのような香りです。

味わいは滑らかで優しく、ピートのスモーキーな余韻が長く続きます。

アイルオブスカイのおすすめの飲み方

アイルオブスカイを美味しく飲むなら一押しはハイボールです。

8年、12年熟成であればハイボールにすることで、個性的なピーティーな香りが際立ちます。

18年、21年は熟成感を味わうためにもストレートやロックで飲むのが適しているでしょう。

若い年数ほど潮っぽさといったアイランズ、18年・21年はぐっとメロウでスペイサイドの特徴が出るという風に分かれています。

まとめ

ブレンデッドウイスキーだと、飲みやすく個性を殺してしまいがちの銘柄もある中で、個性をしっかりと前面におしだしたアイルオブスカイは貴重ですね。

個性がありながらも非常に飲みやすく、複雑な味わいもあって熟成年数による飲み比べも面白い銘柄ですので気になった方は是非ご賞味ください。

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