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グレンゴインとは?種類や味わい、おすすめの飲み方

2022.07.07 / 最終更新日:2022.07.07

グレンゴインはハイランドエリアのハイランドモルトウイスキーです。

地理的にはハイランドとローランドの境目なのですが、ぎりぎりハイランドモルトといったところに位置しています。

面白いのが、道路を挟んで隣に樽の貯蔵庫がローランドにあるということ。

噂によれば税金対策のためと言われていますが、定かではありません。

今はアサヒビールが輸入元になっています。

グレンゴイン10年と21年が購入できますが、並行輸入であれば、他の種類も購入できます。

創業は1833年で今のオーナーはイアンマクロード社ですが、他にタムドゥー蒸留所やローズマリー蒸留所を所有しています。

本記事ではグレンゴインの種類と製法と歴史について解説し、おすすめの飲み方も紹介します。

この記事のポイント

  • グレンゴインの伝統の製法や蒸留所を紹介
  • グレンゴインの味わいを堪能できるおすすめの飲み方を解説

グレンゴインの蒸留所・歴史

 

グレンゴイン蒸留所はスコットランドのクラスゴーから約20㎞ほど離れており、前述の通りハイランド地方とローランド地方の丁度境目に建設されています。

前述でもご紹介しましたが、ハイランドとローランドの境目の上にちょうど建設されている珍しい立地でローランド側に貯蔵庫があります。

グレンゴインとは町の名前でもあり、意味として『グレン』は谷、『ゴイン』は雁、という鳥の意味を表します。

だから『鳥の谷』という意味ですね。

グレンフィディックなどはフィディックは鹿の意味なので鹿のいる谷という意味になります。

グレンゴインでしたらボトルラベルや瓶自体に雁のマークがはいっており、分かりやすいです。

1833年に正式に蒸留所の免許を取得しましたが、グレンゴイン蒸留所は以前はグレングインと呼ばれており、その後バーンフット蒸留所とよばれていたこともありました。

その後、1876年にラング・ブラザーズ社によって買収された際には、再びグレングイン蒸留所に名前が戻りました。

グレンゴイン蒸留所という正式な名前になったのは1905年のことです。

1965年になり、ラング・ブラザーズ社がロバートソン&バクスター・グループに蒸溜所が買収されると、大幅な設備投資が行われました。

これにより、ポットスチルが3基に増えたそうです。

しかし、その後2003年4月に、ブレンダー兼ボトラーズであるイアン・マクロード社に蒸溜所本体と「グレンゴイン」と「ラングス」のブランド使用権を720万ポンドで売却し話題になります。

イアン・マクロード社はグレンゴインの持っているポテンシャルに注目し、生産量を上げていく策を講じます。

グレンゴインの製法

 

イアン・マクロード社はグレンゴインの生産量をあげるため、次の6つの信念を掲げています。

ノンピートの麦芽を使用する

ピートがシェリー感をマスキングしてしまうということでピートを使いません。

せっかくシェリー樽にこだわっているのにそれをピートがマスキングしてしまうことを避けたいということらしいです。

ちなみに大麦は、スコットランド産のオプティック種を使用しています。

スコットランドで最もゆっくり蒸留する

銅(ポットスチル)と触れ合う時間が長いのでよりまろやかになるのです。

発酵槽はオレゴンパイン製で容量18,000Lのものが6槽あり、56時間かけて発酵しています。

伝統的なダンネージ式で熟成

木のレールを引いてそのうえに樽をのっけて貯蔵・最高でも3段〜4段しか積み上げません。
貯蔵にも時間がかかります。

対照的なのはラック式で7段〜8段ですが、どちらがいいのかは一長一短です。

オロロソシェリー樽を使う

今、シェリー樽はかなり高くなっているのですが、それでもシェリー樽をかなり厳選し、いいものを取り入れたいというこだわりがあるそうです。

シェリーもオロロソシェリー以外は使わないそうです。

無着色、ナチュラルカラーを守る

カラメル着色はもちろん、冷却ろ過も廃した樽出しにこだわりを持っています。

ハンドクラフトで伝統を重んじる

木樽の木の種類はヨーロピアンオークとホワイトオークの両方で作っており、

シングルモルトなのでものによっては、樽同士をヴァッティングすることもあるそうです。

シェリーの他にリフィルのバーボン樽を使用しているのですがそれはヘブンヒルジャックダニエルから入手しているそうです。

ちなみに、仕込み水はハイランド側にあるグレンゴイン・バーンから採水しています。

グレンゴイン10年の方はファーストフィルのヨーロピアンシェリー樽が15%
ファーストフィルアメリカンシェリー樽が15%
リフィル樽が70%

リフィル樽を使う理由はファーストフィルばかりだと個性が出過ぎてしまうのでリフィル樽で調整しているのです。

21年はファーストフィルのヨーロピアンシェリー樽100%なので、かなり個性が強く濃厚で香りも強いですが、すごくいいです。

日本では正規輸入品としてアサヒビールから出ていないですが、25年はかなり値段が跳ね上がります。

大体21年が13000円程度に対し、約4万円前後するのでコストパフォーマンスが悪いです。

10年と21年は熟成期間にしてはかなりコストパフォーマンスがいい銘柄といえるでしょう。

フルーティで華やかなウイスキーが好きで、ピートが苦手な人にとっては非常に向いているのではないでしょうか。

これからシングルモルトを色々試してみたいと思う方の導入としてはおすすめです。

グレンゴインの特徴・味わい

熟成年数によって微妙に違いはありますが、全体的にはアロマは厚ぼったさというか、濃さみたいなものを感じる立ち上がり、木から出てくる強めのバニラ感、トーンのひくいもフルーツのどっしり感、完熟、ドライフルーツ、そして黒糖、チョコレート、紅茶のイメージ。

酸味もありシトラスよりも、チーズっぽい酸味。

樽ばかりでなく麦っぽい香りも結構深く、全体的に濃い口でアルコール度数は40度ですが、非常に豊かなフルボディといった感じ。

嫌味が全然なく、硫黄っぽさもなくいい香りです。

味わいは濃い目の樽感があり、樽の甘さ、熟成の甘さを感じます。

テクスチャは柔らかいので、熟成感がありながらもくどい感じがなく、バランスがよくとれています。

ほどよいフレッシュ加減がいいですね。

このようにコスパ最強で味にもこだわりがあるグレンゴイン、しかし、いまいち知名度が低い理由は生産量が少ないのが理由の一つです。

他の蒸留所と比較するとこんな感じです。

蒸留所名 年間生産量 蒸留所の特徴
グレンゴイン蒸留所 年間100万L
マッカラン蒸留所 年間1400万L スコッチモルトウイスキー蒸溜所の中でも生産量第2位
カリラ蒸留所 年間600万L アイラ島で1番生産量が多い
キルホーマン蒸留所 年間48万L アイラ島で1番生産量が少ない
アードナッホー蒸留所 年間100万L アイラ島で新しい蒸留所

ブレンデッドウイスキーの原酒としても使われており、カティサークフェイマスグラウスのブレンドの原酒として使われています。

知らず知らずのうちにグレンゴインを飲んでいるかもしれません。

シングルモルトとしては気軽に楽しめる1本だと思います。

グレンゴインの種類

グレンゴイン10年

画像引用:アサヒグループホールディングス

グレンゴイン10年はスタンダードボトルであり、日本ではアサヒビールから販売されています。

ピート不使用なので、飲みやすく、フルーティであり、アロマは爽やかなアップル果汁の他、オークの木樽や香ばしいナッツのなどが鼻腔をくすぐります。

味わいはミディアムボディで甘く、少しショウガのようなドライ感がありながらもリンゴのフルーティさが感じられ、黒糖のあまみや麦の甘みが感じられます。

グレンゴイン12年

画像引用:glengoyne.com

アロマはレモンピール、タフィー、アップル、そしてココナッツの香り。

厳選されたシェリー樽原酒が20%程度入っており、この風味と豊かな黄金色のテクスチャの融合が美しいです。

それは前述で掲げた信念である『スコットランドで最も遅い蒸留』の味でもあります。

味わいは繊細で滑らかなオークと熟したアップルが口いっぱいに広がる爽やかさがあります。

グレンゴイン15年

画像引用:Amazon.co.jp

グレンゴイン15年は、アメリカンバーボン樽30%、ヨーロピアンシェリー樽20%、リフィル樽50%の割合で15年熟成して

います。

アロマは南国の酸味のあるジューシーなフルーツ、パインやマンゴーなどやドライフルーツ、タフィー。

味わいはリンゴ、バナナ、ラムレーズン、ミルクチョコの粘性のあるコクのある甘み。

香草のスパイシーさもかすかにあり、余韻にはハーブ系の香りも感じられます。

粘性があるので食後にまったりと飲むのにおすすめな1本です。

グレンゴイン18年

画像引用:glengoyne.com

バーボン樽を一度解体して、樽材を組みなおして容量を増やした樽をホッグスヘッドといいますが、18年はホッグスヘッドのバーボン樽原酒とシェリー樽を18年熟成したものになります。

アロマはスパイシーさのあるバニラとフルーティさがきわだっており、熟したリンゴも感じられます。

その他、メロンや黒糖、丸みがありながらもヘビーなビターさを感じられます。

味わいはまろやかでリッチ、果物のジャムやクルミ、温かなスパイスやミルクチョコレートを感じます。

グレンゴイン21年

画像引用:glengoyne.com

ケーキ、ハチミツ、芳醇なフルーツとともにシェリーの甘い香りとアルコールの刺激が鼻にツンときます。

口に含むとびりびり来ますが、割とすっきりした感じ、飲み終わった後にまったりとしたシェリーの風味がします。

風味豊かで香り豊かです。

2013年にはIWSC(インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション)で金賞を受賞。

2014年には、SWSC(サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション)でダブル金賞を受賞。

同年にISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)で銀賞を受賞。

グレンゴイン25年

画像引用:Amazon.co.jp

21年と同じく、ファーストフィルのヨーロピアンシェリー樽100%なので、かなり個性が強く濃厚で香りも強いですが、よりリッチで芳醇な熟成感のある味わいに仕上がっています。

アロマはレッドフルーツの皮にブラウンシュガーの香りが溶け込んだような特徴的なスコッチウイスキーです。

優しいオークとシナモン、漬け込んだフルーツにマーマレードのテイストで、フィニッシュはとても長く、スパイスと甘草が感じられます。

お値段は高めですが、クオリティが高くバランスのとれた逸品です。

グレンゴイン カスクストレングス

画像引用:glengoyne.com

カスクストレングスとは熟成後にアルコール度数の調整に加水などして希釈していないウイスキーを指します。

アロマはアップルパイ、ピーチ、バニラ、ナツメグ、ホワイトチョコレート、豊かな麦のエキスと複雑に絡みあって魅力を増しています。

味わいは濃厚でまったりとしたまるみのある味わいで、バタータフィーポップコーン、バナナ、オーク、フルーツと様々な味わいを楽しめます。

こちらは若さはありますが、濃厚さはあるのでややツウ好みのウイスキーといえるでしょう。

グレンゴインのおすすめの飲み方

ストレートがダントツでおすすめ。

ロックだと…

ひやされるとシェリーの香りがおとなしくなってしまいます。

甘さやピリッとした感じがなくなってしまうので、ロックよりはストレートをおすすめします。

ハイボールだと…

ドライ感や爽やかさが、グレンゴインが持っている甘さと喧嘩をしている感じになります。

初心者の方はいいかもしれませんが、個性が弱まってしまう印象。

個性が弱まる感じが好きという方もいらっしゃるかもしれませんので、そういう方にはおすすめです。

まとめ

グレンゴインはピート香やスモーキー感がないので初心者の方におススメのウイスキーです。

それでいて、熟成もそこそこされているのに、コスパがよく、芳醇なフルーティ感が非常に美味しい!

まだ、注目されていないうちに目をつけておいて損はない今後の成長が楽しみなウイスキーといえるでしょう。

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